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信康放浪記  作者: 雪国竜
第一章
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第105話

 プヨ歴V二十六年六月二十九日。朝。


 グランを捕まえる事に成功して、次の日の朝を無事に迎えた傭兵部隊。傭兵部隊の隊員達は、兵舎の食堂に召集させられた。


「総隊長。何で俺達を集めたんだろうな」


「さぁな」


「もしかしてグランを捕まえたから、傭兵部隊おれたち全員に恩賞を渡すとか?」


「はっ。改修工事期間中は俺達に生活費も支給してくれなかったプヨが、そんな太っ腹な真似をする訳がねぇよ」


 隊員達は口々に、好き勝手に言っていた。


 そんなざわめきを聞きながら、信康達は大人しく席に座っていた。


 もし恩賞が貰えるのであれば、まずは信康が貰うのが筋というものだ。


 しかし、ヘルムートからはそんな事を聞かされていない。なので食堂に集められたのは、何かあっての事だろうと思う信康。


「何でレム達は~集められたんでしょうね?~」


 信康達が立っている場所に、何故かレムリーアも隣に居た。


 この食堂は仮に傭兵部隊の隊員が一斉に食事に来ても入れる様に造られているので、傭兵部隊の隊員が全員入っても空きの席は沢山あった。隊員達も仲が良い者と座ったり、適当な所で一人で座ったりと好きに座っている。


 なのに、このレムリーアは何故か信康達の傍の席に座っている。


「お前、何で俺達の傍に居るんだ?」


「う~ん・・・一緒の方が~安心しますから~」


「そうか」


 信康はそう思われるのも悪くないと思いつつ、それ以上何も訊かなかった。代わりにルノワ達がレムリーアに話し掛けていた。


 ルノワ達の他愛のも無い話を左から右に聞き流していると、食堂の扉が開いた。


 中に入って来たのは、ヘルムートだけでは無かった。


 ヘルムートと一緒に入って来たのは、女性であった。


 プヨ王国軍の官服をキッチリと着こなして、動き易い様にスリットが入った膝の上まであるタイトなスカート穿いていた。


 犀利な顔には、官吏然とした雰囲気を出していた。


 鳶色の瞳。ストロベリーブロンドの髪は肩甲骨まで伸びて、柳腰の美人であった。


 オシャレなのか白色の帽子をかぶり、両耳には瑪瑙の耳飾りをしていた。


「ヘルムート総隊長、そっちの女は?」


「もしかして、総隊長のコレですかい?」


 隊員の一人が小指を立てたので、周りにいた隊員達はゲラゲラと笑い出した。


 それを見ても、女性は何とも思わず無視していた。


「こちらの女性はエルドラズ島大監獄に勤めておいでの、アルマ・ギレーゼ特務少佐だ。エルドラズで言えば確か、五番目位に偉い役職に付いているそうだ」


「エルドラズっ!?」


「大監獄じゃねえか!?」


 アルマの紹介を聞いて、隊員達は驚いた声をあげる。


 


 エルドラズ島大監獄


 省略してエルドラズとも大監獄とも呼ばれている。このエルドラズ島はプヨ王国直轄領であり、そのエルドラズ島に建設されたエルドラズ島大監獄は、プヨ王国で最大規模を誇る監獄だ。


 プヨ王国で犯した罪の軽重で、どの刑務所や監獄に収容されるかは世間には非公開となっているが、このエルドラズ島大監獄は軽犯罪者から、死刑囚まで幅広く犯罪者を収監している。


 エルドラズ島は南大陸の北西沿岸に近い海にある島で、当初は遠方の領土として開拓民が派遣された歴史があった。水源はあるし土地も不毛ではないのだが、魔性粘液(スライム)死霊(ゴースト)と言った魔物が生まれる魔力溜まりと言う特殊な環境がエルドラズ島一帯にあった。


 どちらも下位等級のE級の魔物と最弱の存在だが、物理攻撃が通用せず魔法や魔力が帯びた武器が無ければ倒せない。そんな環境下もあって農業も畜産業も漁業も根付かず、頻繁に魔物の襲撃で死者が出てしまい採算が取れないと言う結果から、撤退した歴史がある程だ。其処で何とか活用方法は無いかとプヨ王国が熟考の末に、罪人を閉じ込める脱獄不可能な監獄として利用するに至った。


 四方を海で囲まれた上に厳重な警備体制を敷いているので、一度投獄されたら脱獄は不可能と言われる南欧では有名な監獄である。


 

 エルドラズ島大監獄に勤務する刑務官が来たと言うので、先程まであったアルマに対する浮ついた気持ちは無くなり全員が真面目な顔をし出した。


「よし、じゃあ。話を始めたいが、その前にお前達に良いニュースとそれなりに良いニュースとかなり悪いニュースと胸くそ悪いニュースの四つある。どれから聞きたい?」


 ヘルムートがそう訊くと、全員が顔を見合わせた。そう訊く意味が分からないからだ。


 誰か手を挙げて言えよという空気が漂う中、リカルドが挙手した。


「リカルド。どうした?」


「総隊長、その四つのニュースには、聞く順番はあるのですか?」


「良い質問だ。俺から言わせて貰うと・・・先ずはかなり悪いニュースから聞いて、それから胸くそ悪いニュース、良いニュース、それなりに良いニュースの順で訊く事を薦めよう」


 ヘルムートがそう言ったので、リカルドは少し考えてから答えた。


「では、総隊長が仰った順で聞きます」


 ヘルムートは頷くと、アルマに座る様に勧めた。


 アルマは椅子に座るのを確認した後、ヘルムートは徐に口を開く。


「先ずは、かなり悪いニュースだ・・・いや、傭兵であるお前等には良いニュースかもしれんな。実はカロキヤがまた、戦争準備を始めたみたいだ。無論、我が国を相手にな」


 全員が驚愕の表情で、ヘルムートを見た。信康ただ一人を除いて。

「総隊長、それは本当ですかい?」


 隊員の一人が、ヘルムートに訊ねた。


「流石に冗談でも、こんな事は言えないな」


「でもよ。この間の戦争で、カロキヤの南方方面の軍の・・・・・何って言ったっけ?」


「征南軍団だろうが、覚えろ。馬鹿」


「うるせぇよっ。その征南軍団はこの前の戦争で軍団長も副団長もリカルド達に殺られて死んで、兵数もそれなりに殺られたから、今は再編中じゃあねえのか?」


 その隊員の言葉に、全員が頷いた。信康も頷いたが心中で違うんだよなぁと思っていた。


 この前のパリストーレ平原の会戦で、プヨ王国軍も第三騎士団の騎士団長と副団長及び部隊長である多数の諸将が悉く討ち取られたが、逆に言えば一軍だけの損失である。


 対してカロキヤ公国軍も同じく征南軍団の軍団長も副団長も討ち取られたが、軍団長だったステファルは只の一将軍では無かった。次期カロキヤ公国大将軍と他国から警戒されていた名将であり、征南軍団そのものも半壊に近い損害を受けている。


 凡将でしかなかった第三騎士団騎士団長だったフォルテスに練度が低い第三騎士団と、名将で征南軍団軍団長だったステファルに真っ当な軍隊だった征南軍団とでは、命の重みが全く違う。被害の度合いで言えば五分五分と言えるが、実質的にはカロキヤ公国の方が大きい筈だった。


 それでも、この短期間でカロキヤ公国がプヨ王国に、また戦争を仕掛けるとは到底思えなかった。


 信康、只一人を除いて。


(あのレギンスの言った通りか。だとすると戦うのは当然、征西軍団だな)


「お前達の疑問も当然だ。しかし最新情報によると征南軍団はまだ再編中であるが、カロキヤ軍上層部は代わりの軍を投入する事に決定したそうだ」


「代わりの軍?」


「と言うと、征東軍団しかないな」


「あるいは近衛軍団を動かすかも知れねえな」


 隊員達は意見を出すが、多かったのは東の管轄する征東軍団であった。


 中央の近衛軍団が出るという意見も出たが、公都カロキヤの守備を疎かにするとは思えないので流石に無いと斬り捨てられた。


 公都カロキヤの防衛を主要任務とする近衛軍団が、公都カロキヤをがら空きにしてまでプヨ王国へ攻め込むとは考えられないと言うのが大半の言い分であった。


 因みに征東軍団の名前が上がったのは、明確な理由があった。


 カロキヤ公国の東部側にある、シンラギ王国は今は内乱状態で何処かに出兵する余裕など無い。


 なので別に軍を配備しなくても、問題無いと思われたからだろう。


「お前達の予想は、残念ながら外れだ。南下して来るのは征西軍団だ」


 ヘルムートがそう言うので全員が、驚いた。信康只一人を除いて。


「でも、西はトプシチェが居るだろう?」


「あの国は隙を見せたら、何時でも襲い掛かる事で有名じゃねえか」


「ああ、それも戦を仕掛ける理由がとんでもねえからな。何時だったか・・・カロキヤに侵攻して来た時の理由が『奴隷が欲しかった』とか言う理由で攻め込んで来たそうだぜ」


 隊員達はそれなのに西部側の備えを解くなど、有り得ないとか言っていた。


「これも新しく入った報告だが、どうやらカロキヤがトプシチェと同盟を結んだそうだ」


『はぁっ!?』


 傭兵部隊の隊員全員が、ヘルムートから知らされた情報に驚愕していた。信康只一人を除いて。


「俺もその報告を聞いた時は、お前等みたいに驚いたぜ。既に同盟は結ばれていて、トプシチェはカロキヤへの備えを無くしてリョモン帝国に侵攻しようと軍備を増強しているそうだ。これは、カロキヤとトプシチェに潜ませている密偵からの情報であり、同盟国リョモンからも同じ情報が届いている。だから間違いない」


 そうは聞いても全員、信じてはいない顔をしていた。信康只一人を除いて。


「まぁ、信じる信じないのはお前等の勝手だが・・・確実に言えるのはそう遠くない未来、征西軍団はこのプヨに攻め込んで来る。それだけは覚えておけ」


「了解しました、総隊長・・・では俺達は、これからどうしますか?」


「それについては後で話す。で、これで悪いニュースは終わりだ。次に胸くそ悪いニュースだ」


 ヘルムートは言葉を区切って、皆を見た。


「この前、捕まったグランについての報告がある」


「グランについて?」


「そう言えばあいつ、何処に収監されているんだ?」


 捕まったグランは何処に収監されているか、全員が知らなかった。


「それ込みで今から、こちらに居るアルマ・ギレーゼ特務少佐が話してくれる。全員、清聴しろ」


 ヘルムートはアルマを見る。


 アルマは了解とばかりに立ち上がり、ヘルムートが居た所まで行く。


 ヘルムートは少し下がり、アルマが隊員達に見える様にした。


「さて、前置きは省かせて貰おう。捕まったグランについてだが・・・奴はこれから、エルドラズに収容される」


 アルマにそう言われて、全員が納得した。


 グランがエルドラズ島大監獄に行く事にならなければ、刑務官であるアルマがこの大食堂に居る筈が無いからだ。


「何故あの様な凶行をしたのか、尋問をした結果・・・非常に興味深い事が分かった」


 尋問とは名ばかりの拷問を受けたグランが何を喋ったのか気になり、信康達は興味津々な顔をしていた。


「あいつが何故あの様な凶行を犯したのか、その理由を訊ねると『声が聞こえる』などと言っていた。話を聞いた所、グランの着けていた魔宝武具(マギ・ウェポン)から幻聴が聞こえるそうだ。『血ガ欲シイ』と言う幻聴が、あの魔宝武具を手に入れてから聞こえるとか言っていたな」


「魔宝武具から声ねぇ・・・」


「当初は動物を殺す事で、その幻聴が聞こえなくなったらしい。しかし、その内に動物を殺しても幻聴が消えなくなり、次に魔物を殺して凌いでいたが、それも効かなくなってしまったとか。それで人を試しに殺したら、漸く幻聴が止まったそうだ。それも動物や魔物を殺した時よりも長い期間、幻聴が聞こえなくなるそうだ。因みに、何故自由に殺人が出来る故郷のスパルタンを出たのか問い詰めた結果、持って居た旋風の籠手(ウィンド・ギア)を国から取り上げられそうになったので、拒否して、その際に役人を誤って殺害してしまい、逃走せざるを得なかったと言っていた。そして、このプヨに来るまでの間にも複数の国々で、殺人事件を起こしていた事も発覚した」


 アルマの説明を聞いて、グランがキリシア連邦のスパルタン州を去った理由は理解したが、傭兵部隊の大半は何故殺人衝動に陥るのかが分からない様子で首を傾げた。そんな中で信康とルノワだけ意味が分かったのか、納得した顔をしていた。


「魔宝武具を装備して幻聴が聞こえるか・・・あの症状しか無いよなぁ」


「ノブヤス様の認識で、間違いないと思いますよ」


「うん? 何か知っているのか? 其処の東洋人と黒森人族(ダークエルフ)


 アルマは信康とルノワの反応が気になり、質問した。信康とルノワは互いに視線を交えた後、ルノワが解説を始めた。


「恐らくですが・・・それは魔宝武具からの拒否反応ですね」


「拒否反応、だと?」


宝具級(パオグ)以上の魔宝武具(マギ・ウェポン)を扱う者に、起こり得る現象です。使っている武具と相性が悪い、または適正が無い場合に発生します。症状は通例を並べると、聞こえない幻聴を聞こえて来る。魔宝武具がきちんと機能しない。逆に所有者の意思に反して、魔宝武具が暴走する。こう言った現象が起こります」


「成程。拒否反応が起きると、その様な現象が起こるのか」


「しかも、この現象の難儀な所は、自力で制御するのが難しい事です。重症になると魔宝武具を持っているだけで、私が先刻さっき言った数々の現象が起きるそうです」


「どうすれば、その拒否反応を治める事が出来る?」


「武具を諦めて手放すか、又は魔力鍛冶匠(エンチャンター)に調整して貰うしかありませんね。魔力鍛冶師(エンチャント・スミス)では、少しばかり荷が重い仕事の筈です」


「魔力鍛冶師では無く、魔力鍛冶匠か。それは金が掛かるな」


「はい。個人に合わせて調整するのは、幾ら魔力鍛冶匠でも難しい仕事です。相応の大金が必要になるでしょうね」


「納得出来る話だが、グランの奴。全然強くなかったんだよなぁ・・・」


 実際戦った信康は、グランの弱さに思い出しながらそう呟いた。


「まぁ、使い熟せていなかったんだろうな」


「ノブヤス様の仰る通りです。もし完璧に制御出来て居たら、周辺被害は酷いものだったかと」


「ふっ。どうせならあの旋風の籠手とやらの、全力の性能を見て見たかったがな」


 信康は残念そうにそう呟くと、会議室に居る隊員の大半が何言ってんだこいつと言わんばかりに呆れていた。


「でもそんな凄い武具を使い熟せていなかったから~被害はあれだけで済んだと思うべきでしょうか?~」


「・・・・・・まぁ、その通りだな」


 レムリーアの言葉、相槌を打つ信康。


「拒否反応か。そんな反応が出たのならば、捨てればこうなる事も無かっただろうにな・・・因みにグランが装備していた旋風の籠手だが、軍上層部が没収して使い手に相応しい人物を選定して貸与するそうだ」


「・・・・・・これが胸くそ悪いニュースですか?」


 此処までの話を聞いた所、可哀そうではあるが自業自得であった。


 なので、リカルドはヘルムートに訊ねた。


「此処からが、胸くそ悪い話になる。今回の犯人であるグラン・マクラオンは傭兵では無く敵国の諜報員スパイであった。グランは王都アンシの治安を悪化させ混乱させる為に、罪もない民衆を殺害した。更には敵国にプヨ軍の機密情報を流す為に盗んだが、懸命な捜査によりグランの居所を掴んだ警備部隊が捕縛に成功した」


「総隊長、今言ったのは?」


「これが公に発表される。今回の事件の全容だ」


「ですが。グランは機密情報は盗んでいません。それに捕まえたのは俺達、傭兵部隊ですよ」


「盗んでいないんじゃない。盗んだ事にされるんだ・・・・・」


「はい?」


「分からないか。そうだな、簡単に言えば、グランあいつは生贄にされるんだよ」


「生贄?」


「・・・・・・・成程。そういう事か」


 ヘルムートの言葉を聞いて、信康は理解した。


「ノブヤス?」


「要は、あれだろう・・・折角設立した傭兵部隊が風評被害を受けない様にする為と、警備部隊の功績を作り評判を良くする為と、王都(アンシ)の治安を良くする為といったところですか? 総隊長」


「その通りだ。上層部は今回の件を傭兵部隊排斥運動をさせない為と、警備部隊の印象を良くするために公表するそうだ。グランに授与されていた勲章も、当然だが抹消される。尤も、居なかった事にされるんだから全部無かった事になるんだがな。公式には軍関係者としか発表していないから、軍上層部も記録を抹消するのは楽だったろうな」


「それじゃあ、グランは」


「犯罪者は犯罪者でも、殺人犯じゃなくて敵国の諜報員(スパイ)として裁かれる」


「我が国では犯罪者でも、情状酌量などで懲役か死罪で決まる。しかし敵国の諜報員の場合は、問答無用で極刑となる」


「・・・・・・・因みに、今回の事件ではグランはどうなりますか?」


「敵国の諜報員として処刑されるから、この事件による罪状は加算されない。第一にグランは、連続殺人犯だ。どちらにしろ、死刑は免れないだろうがな」


「ッ!・・・・・・・もう、決定事項ですよね?」


「ああ、そうだ」


「エルドラズに収容され次第、グラン・マクラオンは処刑されて、その遺体は処分される事になっている」


 アルマがそう言うと、リカルドは怒りで拳を握った。


 幾ら連続殺人を犯している重罪犯とは言え、別件の冤罪で処刑されるのだからその事実に憤慨しているのだろう。信康は青いなと思って、内心でリカルドを嘲笑していた。


「さて、これでグランの件は終わりだ。だが、この件は外部に漏らす事を禁ずる。もし漏らした馬鹿者が居れば、問答無用で軍法会議ものだからな」


『了解しました』


 隊員達は、ヘルムートに敬礼した。


「最後に、良いニュースとそれなりに良いニュースの件だが、まとめて話すぞ。傭兵部隊が新しく募集した第二陣が、今日の昼頃にこの兵舎に来るそうだ。お前等、仲良くしろよ」


『うっす』


「総隊長、それなりに良いニュースは何ですか?」


「今回の敵軍の侵攻に備えてプヨ軍は、第一騎士団を中心に神官戦士団から三つ。第二、第四、第五騎士団の一部隊で構成されるそうだ」


 それを聞いて全員、少し嬉しかった。


 戦力が増えれば、その分自分達が生き残れる確率が高まるのだから、喜ばない者は居ない。


「第二陣がこの兵舎に到着次第、訓練を開始する。お前等、休んでいる暇は無いぞ。少しでも準備はしておけよっ!」


 ヘルムートが最後にそう言って、報告は終わった。

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