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真相と和解~控えの間のサピエンスたち

控え室の水鏡に映っているのはダキアの義眼が物理的に捉えている視界です

ep41は記憶の感応といったモノ

画像は共有できるけど画像を撮ってるカメラマンがナニを考えているのかは画像に写らないといった感じです

 ダキアの見ている光景は、マナ同士を伝播させるエガルマハの術で、そっくりそのまま水鏡に映されている。

 控えの間ではダキアの目を通して広間の様子を窺うエガルマハのサピエンス、マルス、フルリシャルマの双子娘、ネルガルとルプスのソリル、ナルが興奮した面持ちで水鏡を覗き込んでいた。


「これが、件の偽宮司ですか」

「確かにこんな体毛の色は見たことがない」

 ソリル、ナルはシチフサの特徴的な外見が、マルス、フルリ、シャルマ、ネルガルはダキアの視界が気になるようだ。

「これがミアキスヒューマンにしか見えないマナのビジョン…」

「こんなにはっきりと姿が見えるものなのね」

「この変わってく色は何かしら」

「義眼にしたら見えるようになったと仰ってたけど、この副反応は想定外だ」

 そんな中、生前のシチフサを知っていたナランは、困惑した表情を見せる。

「この子…、神殿で息を引き取った時はもっと幼子だったはずです」

 その言葉に、ギョッとした顔で全員が水鏡からナランに視線を移す。



 シェリアルが、シチフサの頭を優しくなでると、シチフサのマナが暗く悲しい色から明るい幸福の色へと変わっていくのがハッキリ見て取れた。

 だが、ダキアの義眼にはシチフサの内側の一番奥ら辺で、まだ何かが燻っているのが見て取れた。シチフサにはまだ心残りがある?


 その時、湖に面したバルコニーに巨大な影が飛来した。白い甲虫が、ふわりとテラスに舞い降り、小さな緑色の枯れ枝を思わせる影が広間に飛び込んできた。乱入してきた何者かは、ヨタヨタとした足取りではあるが、床に仰臥し倒れ伏して眠る人々を避けることなく、シェリアル、シチフサの許に駆け寄っていく。いや、僅かに宙に浮いたまま滑るように移動している。

 その姿を視認した瞬間、ダキアの肝が冷えた。

 -なんで観察者がここに!

 全く想定していなかった非常事態に、ダキアは剣を抜くと柱の陰から飛び出しシェリアルの許に向かう。

 カイン、ミザル、アルコーも控えの間を出てシェリアルの許に向かう。


 一方、控えの間でも、エガルマハのサピエンスが色めき立っていた。

 最初に指摘したのはシャルマで、「え、天人じゃない?!」と興奮した面持ちで観察者を指さす。

「本当だ、天人がなんでここに?」

「天人?何ですそれ」

 リョウが何が面白いんだ?といった表情で嫌そうに、ナランの顔をまじまじと見つめる。

「そうか、君はもうグラディアテュールに帰っちゃってたから知らないんでしたね。ダキア殿下が白竜を倒して間もないころから、天人が一人?アシルの森上空で頻繁に目撃されているんですよ」

「天人っていうのは、アシルしかなかった時代の伝説の存在でね、ルプス系のミアキスヒューマンを連れて空に昇った伝承があるの」

 ナランの説明にフルリが早口で補足し、シャルマも口を挟む。

「もしかしたら、シチフサは天人が連れ帰ったルプスの末裔っだったりするんじゃ」

「そんな、流石に突飛すぎる」

 ネルガルは否定するが、

「シチフサは空から落ちてきたってシェリアル様は仰ってたし、天人がアシルの森を訪れていたのはシチフサを探すためだと、そう考えたほうが辻褄が合う」

 マルスの指摘にうぅむ、と言いよどむ。

「とにかく行ってみよう」

 フルリ、シャルマの双子娘が飛び出し、次にマルス、マルスの推測を考えていたせいで一瞬遅れてネルガルが控えの間を後にした。

 そんなサピエンスたちの飛躍した推測と行動力にリョウは天を仰ぐ。

「もう何が起きているのかさっぱりわからない…」

 それから、仕方ないと言った風に重い腰をあげた。リョウは面倒くさいのは嫌いだが、カインに怒られるのはもっと嫌いなのだ。




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