1話 転生
つまらない人生だったと思う。
運動はそこそこできたが、特にやりたいこともなく
無難に就職し、寝て起きて仕事してを繰り返す毎日だった。
群れるのは好きじゃなく、基本一人で遊んでた。
決してコミュ障とか陰キャではない。ここは重要なポイントである。
少数精鋭というやつだ。
漫画読んでアニメ見てたまにギャンブルして、そんな底辺生活を送っていた俺、村田慎吾37歳。
ついさっき信号無視のトラックに撥ねられました。
撥ねられたはずなんだが‥ここはどこだろうか‥
「あなたがシンゴね」
「え?誰?」
目の前に羽の生えた女性が現れた。
「私は生命を司る女神。不慮の事故にあったあなたにもう一度人生をやり直す機会を与えに来たのよ」
「やり直す?つまりもう一度日本で生き返れる?」
「日本は無理ね。私の管轄するもう一つの世界の方に転生してもらうわ。ちなみに剣と魔法ありのいわゆる日本で言うファンタジーな世界ね」
「つまり俺が異世界転生?!」
いやいや異世界転生?
漫画とかラノベで飽き飽きしてる展開流れじゃんこれ
「んで?どんな転生特典があるんです?チートですか?」
「はぁ?あんた何言ってるのよ。事故とはいえ、死んだくせに生き返れるだけでチートでしょ?」
へ?
「え?ちなみに俺はその世界で何をすれば?」
「好きに生きればいいわ。魔王とかいるけど勇者は別で用意してあるし、あなたはたまたま目に止まったから、気まぐれで慈悲をあげるだけ」
「ちょ、ちょっとまって!モンスターとかも、もちろんいるんだよな?!平和な日本で生きてきた俺にチートもなしでどうすれば?」
「そんなの知らないわよ。自分で考えなさい。そろそろ送るわよ」
こ、こいつ‥生き返らせるだけ生き返しといてそりゃないだろ‥
「あー‥まぁすぐ死なれてもあれだからサポート機能くらいはつけといてあげるわ。感謝しなさい。じゃあねぇ」
「ちょっま‥」
意識が‥
ーーーーー
「おぉ!産まれたか!エリー!よくやった!」
「ハンス、男の子よ」
ん?誰の声だ?
視界がぼやけて‥
喋れるか?
「オギャア!オギャア!」
?!