ゲーム開始
今回はまじめに書きたいと思います。
またちゃらけるかもしれませんがどうぞよろしくお願いします。
早速ゲームのパッケージを開けた来栖。ダイブ型のゲームは初めてらしく、だいぶ戸惑っているようである。
言い忘れていたが、ダイブとは、VRの世界に入ることのできる専用の機器を使い、ゲームの世界に入ることである。二千二十六年に発明され、大ヒットした。今では機器を持っていないほうが珍しいようである。その証拠に、来栖の通っている学校のクラスメイトは来栖以外全員持っている。
ただ、そのことを来栖が知ることはないと思うが。
パッケージを開け、準備を済ませた来栖はダイブし始める。
「ダイブイン!」そういったとたん、来栖の入った機会がブーンと音をだし、稼働する。
次の瞬間、来栖はもうカレオンの世界にいるのである。
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ふわぁ~。無事、入れてるのかな?カレオンの世界に!
どうやら入れているらしく、来栖の周りには草原が広がっている。ただ、来栖には不満な点があったらしく、不満げな顔をしている。
どうしてなの!?カレーライス・オンラインという名前なのに、チュートリアルでカレーもでないの!?バッカじゃないの!?ばーかばーか。運営のばーか!
カレオンは名前がカレーライス・オンラインなだけで普通のファンタジーゲームなのだが…
説明も見ず下調べもしなかった佳麗一家には知るよしもない。あくまでも佳麗一家はカレーのためにカレオンの世界に来ているのだから。
意味が分からずあたりを見回している来栖はふと思い立つ。
そうだ!きっと、街に入ればカレーがあるんだよね!さすがにすべてがカレーでできてるわけじゃないもんね!
このような盛大な勘違いをしながら来栖は街とは反対の方向に進んでいく。反対の方向に。
大事なことだからもう一度言うが、反対の方向に。
そのようなことにも気づかず進む来栖は、やがて、洞窟にたどり着く。
あれれ?\(゜ロ\)ココハドコ? (/ロ゜)/アタシハダアレ?
さすがに自分のことくらいは覚えているだろうが…頭が真っ白になった来栖は、そのようなことを考える。
洞窟にたどり着いた理由を考えながら、来栖は洞窟の中を突き進む。周囲の警戒もせずに…
ざしゅっぐしゃっぼげぇっ!
(効果音)
突然、誰かの悲鳴と悲惨な音が聞こえた。
来栖は慌てて声の聞こえた方向に走る。
「きやぁぁぁあ!」
来栖の声である。悲鳴をあげたのだ。そこには、カレーライスが落ちていた。
悲鳴をあげたのはカレーを落とした人であり、効果音はカレーが落ちた音なのだ。ぼげぇっ!なんてなかった。きっと。
とにかく、カレーが落ちていることに耐えられなかった来栖は、落としたであろう悲鳴の主の少女に声をかける。
「あなたが落としたの!?カレーを落とすなんて!人類の敵だよ!」
「す、すみません…!」
「なにがあったの?」
「実は、世界最後のカレーを、保管庫に運ぶ予定だったんですけど…。運んでいる途中に落としてしまったんです…!どうしましょう…!」
「えぇ!?世界最後の?ほかにはないの?」
「はい…。カレーの作り方をある国が秘匿していたのですが…。その国が滅びてしまって…」
「じゃぁ。作らないとないの!?」
「はい…」
このような会話があったあと、来栖と少女…メラキエは、手を組み、カレーを共同制作するために旅をすることになった。いろいろな国をまわって、いろいろな香辛料を集め、カレーを作るためである。
幸いなことに、来栖はカレーの作り方を知っていたし、メラキエは土地勘があり、香辛料にも詳しい。最強のタッグだったというわけである。
こうして、カレーを作るための最強タッグは生まれた…のだった…
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