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3度突きたくなる衝動

「うっ、眩しっ。」

目がチカチカする。

目を開けると、真っ暗な所だった。


ひよりの前に丸い光の玉が眩しく光り、上下に揺れながら現れた。


「輪廻、転生の神様でーす☆玉じゃないですよ☆」


間の抜けた声が暗闇に響き渡る。


「ふん!」

「ぎゃぁーー!!」


ひよりが気配を消し、玉に向かって手を大きく振りかぶり、玉を直撃。

玉が勢いよく明後日の方へ吹っ飛んだ。

周りは静かになる。


「記憶を残したまま、この世界に生み()()()()くれてありがとう。言葉通り、死に掛けたけどね。」

こいつのせいで恐怖で空中でちびるという失態もしたわ。


ひよりは暗闇の中、誰も居ないほうを見る。

その方向から、また光の玉が現れた。

ひよりと距離をとり、フヨフヨ浮いている。


「神様ですよ、私。叩く人なんて今までいませんでした!驚くじゃないですか!

それにー、ひよりさんに私は言いましたよ。くれぐれも死なないで下さいねーって。」

「ええ言ってました。あの時、あまり聞き取れませんでしたが。

でも、神様の()()で死に掛けるとは思いませんでした。神様の()()()。」


玉の動きが止まる。


「転生先を間違えたか、場所を間違えたんじゃないでしょうか。自力で飛べないただの人が空で目を覚ましたんですよ。間違いでなかったら、私の事を殺そうとしました?」


いつの間にか、ひよりと玉の距離が近くなっている。


「ねぇ、神様。」

ひよりの無表情の顔が玉の5センチ前にいた。玉は慌てて距離をとる。


「ご、ごごめんなさいぃ!

確かに間違えましたぁ!本当は、教会の前に赤ん坊の姿でおくるみにくるまって見つかって、前世の記憶を持ってて、ここで立派に聖女になって、前世の彼に復讐しつつ生活していく予定でした!」

玉が一層輝きだす。


「そもそも、その計画破綻してない?立派な聖女が復讐なんてしないわよ。」

「うっ」

玉の輝きが通常に戻る。


「なーんかにおうわ。」

胸の前で腕を組み、じと目で玉を見る。

玉がひよりから離れる。


「神様もですね、次があって、忙しかったりするとですね、多少の間違いはしてしまうんです!」

玉が大きく膨らむ。


「神様の力で転生させた人を、神様の()()の間違いのせいで空から落ちたのも、雷撃を食らったのも神様の中では()()の間違いなんですね。」

「ううっ」

玉が少し小さくなった。


「彼に復讐できるなら転生するって言いましたけど、神様の手で殺してくれとは言ってないです。」

更に玉が小さくなる。それを見て、ひよりが短く息を吐く。


「まぁいいです。殴れて少しスッキリしたし。ここでネチネチ殺されかけたことを話してても時間の無駄だし。何よりも早く復讐したいし。で、どおすればいいの?」

ニコッと笑顔でひよりは玉に向かって言った。


「私を見てわかる通り、中途半端に10歳くらいの子供になってるのよ。死ぬ前の私の子供の頃の姿。なんでかな?」

ひよりがそう言いながら、玉の前でクルッと一回転する。


「それから、神様も知ってると思うけど、鼻垂れ小僧のカイくんが、私の名前をクロと付けたらしいんだけど、なんで?」

ひより腕を組んでニコッと笑顔で玉に聞く。笑顔だが、なんだか怖い。玉はひよりから距離を置いて大きい声で質問に答えた。


「はい!質問に答えます!まず、ひよりさんがその姿のまま転生したのは、先程言った通り、私の手違い、間違いです。意図はないです!ごめんなさい!だからこうして説明しにきたんです!

そして、名付け親の件ですが、この世界では名前を付けてもらって、その人の滞在能力の一部、魔力のポート開放をするんです!まぁ、滞在能力には個人差があるので、高めるには限界がありますが...。

なので.........カイさんにひよりさんの名付け親になってくれるようにお願いしたのです!」

ひよりの眉が動く。

”なので”の後の間に何か隠しているようで、怪しい・・・

まぁ今はわからなかった事が知れて良かったから良しとした。


「魔力のポートってなに?魔法のこと?私でも使えるようになったって事?」

「そうです!カイさんに名前を付けてもらったので魔法が使えるんですよ!」

「わぁ素敵!子供の時の夢だったのよね。まさか転生して魔法使いになれるなんで思わなかった!どうつかうの?」

「...念じたり...?」

答えが曖昧。しかも疑問系で返された。


「それだけ?神様なのに魔法の使い方知らないの?」

「ごめんなさい!この世界で使える属性っていうのかな?それならわかるんですが...えーっと、火、水、風、土、光、闇だったかなぁ。あ!ひよりさんの属性は闇です闇!ピッタリですね!」


ヒュッ

玉の横にグーの拳。


「ひよりさん、転生前の記憶持っているんですよね。なんか性格かわりました?気配殺さないで下さい。怖いです。。。」

玉はそう言うと、そろそろとひよりの拳が届かない頭上に移動する。


「そうそう、復讐の仕方ですが、聖なる泉に願いを込めてコインを投げ入れてください。そうすると、彼が映ります。更に願掛けしたコインを相手に投げつけるとその通りになります。聖なる泉は各地に存在してますので、ご自由に、殺さないようお好きにしてください。」

それを聞いたひよりの顔がにやけた。

「コインを投げ入れるだけでいいのね!楽勝だわ!」

「そうですコインさえ手に入れば楽勝ですよ~コインってこの世界のお金のことですからね~地獄の沙汰も金次第。この世もあの世も金次第ってね☆お金は神も仏も女神もみーんな大好きですから☆」

玉はひよりの拳が届かない事をいいことにふざけながら喋る。


「えー!?早速稼がないといけないじゃない!子供で何ができるのよー!」

ひよりの頭上より高い位置に居る玉に向かって叫ぶ。

先程と立場が逆転して嬉しそうな、玉。

余裕が出てきてクルクル回転したり、上下運動をしている。


「ははは、それはこれから現実世界に戻って考えてください~☆あ、ソロソロ時間かな~」

「待って!まだ質問はあるの、ここは、ここはどんな世界なの?」

焦るひより。


「ここは地球です。といっても、ひよりさんが居た地球とは全く違う別の地球です。人と魔物が共存する世界。...現状、魔物のほうが少々力が強くなってきてしまって人が生きるのに大変な世界になってしまっているんですが....まぁ死なないで頑張ってください☆」


そういって、玉は強烈な光を出しひよりを呑みこんだ。





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