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〇約束
――それは、ありきたりな約束だった。
「俺がこれから君を助ける。だから泣かないで」
傷だらけの少年は少女を優しく包む。
「……ほんと?」
「うん! もちろん。たとえ日が暮れた真夜中でも雨が降った時でも助けるよ。約束だ」
よくドラマやアニメなんかでありがちな幼い頃の約束。どこにでもあるような約束。
――けれど、大切なもの。
二人を繋いだ糸。
「なにそれ……」
ふふっ、と少女は微笑む。
「なんか……かっこよくね?」
「ふふ、そうかな。でも、ありがと。私、あなたを信じる」
「おう! それじゃ俺ら今日から友達な!」
「うん……! じゃあ、まず自己紹介だね。まずあなたの名前は?」
「俺は――」