我が友、永き眠りより醒め
形なきものなど知る由もなく、そこにある、命の形よりもなお重く……あの時我は嫩葉を見た。嫩葉は燃える魂を乗せ、瞬き、落ちて、我が心をも焦がす。
しかし、我が誇り、嫉み、喝采を手向けた、我が友は永き眠りに落ちる。
深い微睡の中で、魂のみが揺蕩う中で、我はその魂の瞬きが、燈篭の火と消えるを恐れて、土を掘り、深く風もないところに置いて、なす術もない我が身を呪いつつ、その魂の温もりに当たる。
長い冬、悴む手もまた、魂の形を保つには無力なままで、細い指、飢えた我が魂が、我が友の魂まで喰らい付きたいとさえ願う。
溢れる唾液も飲み込み、垂涎の供物も手を付けず、魂の揺らぎに恐れ慄き、我が消えゆくか、或いは君が消えゆくか、ともすれば共に消えゆくか。
抗えぬものに抗えぬという結末にさえ、辿り着けぬまま、私はただ、こうして魂の守りを続けた。
やがて我は心も忘れ去り、魂の形も分からぬ身に落ち、ただ魂に手を添えて、暖を取る抜殻と成り果てた。
まさにその折、災厄の間際、マヤの終わりの其年月に、一回りも大きくなったその手が魂を掬い上げるのを、その手の中で強く瞬く魂の輝きを、我は目にした。
我が友、永き眠りより醒め、言の葉は再び燃え盛る。
人の心を種として、万の言の葉となれりける。