誰も許さなくても、僕が許すよ。
どうか、彼を助けて。
時を超えて、彼を助けたい思いが起こす、ありえない出来事。
パシャー。
私たちの出会いは、枯れたカメラのシャッター音。
その音の先には、知らない男の子。
「なんで、私を撮ったの?」
先に口を開いたのは私だった。考えるよりも先に、口が開いていて私もびっくり。そんな私をみて、かすかに笑う君。
「青い花、覚えてない?」
「青い花?」
青い花?なにそれ。人違えかな、私この場所あんまり来ないし、すごく古いカメラ持ってるし、なんか怖いな。
「人間違えじゃないかな、ここおばあちゃんが住んでで夏しか来ないの。」
君は困ったような、泣きそうな顔でこっちをじぃっとみる。そんな顔されると、めっちゃ焦るんだけど。会ったことあったけ?私が忘れてるだけ?めっちゃ気になるんだけど。
「君の名前は?」
偉い、私。勇気出した。
「彼方、僕の名前は彼方。」
彼方?聞いたことない、やっぱり人違えかな。でも、いい名前だな、心地いい。
「ごめんなさい、青い花もあなたの名前も覚えてないわ。」
そっか、と小さい声で返事をした君を見るとむねがくるしくなった。何か言わないと、すごい気まずい。
「彼方、いい名前!私とても好き」
次は、ポカーンとへんな顔。見てるだけで感情が分かる。少しへんな人。
ごーん、ごーん、ごーん。
「あっ、金の音。私もう行かなきゃ、目当ての人じゃなくてごめんなさい!さよなら!」
「ま、まって!」
ぐいっと、腕を掴まれてびっくりした。痛いとかそういうんじゃなくて、冷たい、夏じゃないみたい。
「また明日、きてくれる?僕待ってるから」
「じゃあ、また明日ね」
「うん、じゃあね、小夏」
あれ?なんで私の名前知ってるの。さっき言ったかな?
見てくださって、ありがとうございます。
どうも、あおばです。
ぜひ、続きも読んでみてください。