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秘密結社MPD  作者: 名取
秘密結社MPD
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 異常・正常の区別をつけたいと思ったことはおよそない。


 なぜなら、それは私の仕事ではないからだ。




 何が異常で、何が正常なのか、それを決めるのは私の親であり、私の意見など採用されない。この家では、親の意見こそが子にとって絶対なのである。反論してもいいのだが、その場合、冷たく見放される。幼い子供は親に見放されては、生きていけない。なので、黙る。




 けれど、私は決して親を憎んではいない。




 なぜなら、私の苦しみは親が愚かなのが全て悪いのであり、私の落ち度ではないからだ。私はたまたま、「上司の命令に従うしかない部下」として生まれたにすぎない。そのことを考えないようにしていれば、なんら苦痛など感じない。報酬だってちゃんと与えられる。つまり親は、ただのシステムだ。自動販売機のようなものだ。自動販売機に対して怒りを抱くのは、バカのすることだろう。自動販売機が壊れたのなら、然るべきところに連絡するか、修理をするかすればいい。それだけのことだ。




 話は逸れたが、そういう理由で、私は他人を正常か異常かに分ける作業が、全くと言っていいほどできない。




 誰かが何かを異常なのだと言えば、まあ、そうなのだろう。


 誰かが何かを正常なのだと言えば、まあ、そうなのだろう。


 


 という感じに生きてきた私・市ノ瀬リアだが、最近、少し困っていることがある。




 しばしば、記憶が飛ぶのだ。




 気がつくとものすごく時間が経っていたり、知らない場所にいたりする。




 そして親曰くこれは「異常」なことらしく、ものすごい形相で連れて行かれた先は、精神病院であった。私は少し困った。


 入院などということになれば、好きなアニメが見られない。






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