98 喧嘩
俺たちは、それから森で出てきたモンスターを倒していったが、Dランクモンスターは出てこなかった。
「モンスターの数が少ないような気がするんだが」
「あ、それ、私も思ってた」
「何もなければいいんですが…」
ドン!!ゴゴゴゴゴ…
こうして話をしていると、地震が起きた。
「あわわわ…揺れる。揺れてる…」
「ユカさん、落ち着いて。逆に動いたら危険です。早くまとまってください」
「言われなくても分かってるわよ、うわぁぁ!」
俺はユカの腕を引っ張る。
「何触ってんのよ!離して!」
「何言ってるんですか!今離したらユカさんが危険です!」
そうこうしているうちに、揺れが収まった。
「ユカ!ちゃんと謝って。本当にあれでいなくなったらこの試験に合格するどころか、生きて帰れるかさえも分かんなかったんだから」
「うるさい!なんでお姉ちゃんはそっちの味方ばかりするの?ほんと、意味わかんない!」
そう言って、ユカはどこかは去っていった。
「ユカ!ごめん、今から連れ戻してくるから…」
「別にいいんじゃないですか?自分から嫌だから離れていくのに、無理に追いかけて嫌なところに戻させるのはとても苦痛なことですよ」
「でも…」
ユカの姿は見えなくなっていた。
「リーダー、いくらなんでも言い過ぎ」
「俺は今回は護衛役だ。みんなを必死に守ろうとしてるんだ。自分からその守ってもらえる範囲から抜け出してるんだ。俺はそんなところまで、面倒は見れない」
「だからさぁ!」
「もういいよ…ちゃっとナユタ君、話があるけどいい?」
「ええ。いいですよ」
「サーラちゃんは見回りしていて。もし、危険なことがあれば言ってね」
そう言って、俺とユナさんは2人っきりで話し始める。
「ユカなんだけどね?あの子、ただプライドが高いだけなんだよ?今は初対面でちょっと失礼だなって思うけど。だけどね、あの子は可愛いんだよ?私の誕生日ではケーキを作ってくれたし、お揃いのお守りもくれた。実は、この弓を買うときだって「お姉ちゃんが欲しいなら」って、半額分出してくれたし。あの子は刺激しないように接したら、多分、許してくれると思うの。だから、あと一日、よろしくね」
「…さすが、世界最強の姉妹ですね」
「何それ?」
「ユカさんが言っていた言葉ですよ。やっぱりユカさんは連れ戻してきます。刺激しなかったらいいんですよね?」
「う、うん」
「サーラのことを、よろしくお願いします」
俺はユカが向かった方向に走っていった。
「それにしてもモンスターが少ない。何かあったのか?」
向こうの方に霧が見えた。隠れるのには最適な場所かもしれない。
俺は霧の中に突っ込んだ。
霧はそんなに続いてなく、すぐに抜けれた。
そこにいたのは、1人の少女と1つの大きな生物だった。
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