70 転入生
ナユタが学校生活を送りはじめてからおよそ2ヶ月が経った。1年の人とも、先輩とも、良い関係を築いていた。
入学する前と同じようにシオンさんやプルガさん、リンネさんとも練習をしている。
「いきなりで悪いが転校生が来ることになった。編入試験を行って十分な力がある子だ。仲良くしてやってくれ」
そう言われて入ってきたのは金髪の女の子だった。
「スペラです。よろしくお願いします」
少女は、簡単に挨拶を済ませて先生に促されるように席に着く。ところで…
「なんで俺の隣なの…?」
「一番優しそうだったから」
「君のご希望に反するくらいの悪人かもよ」
「そんなことない。目が優しい」
「そうかい、授業始まるよ」
授業を終えて次は技術の指導。いつものようにケイとミアと移動しようとすると、隣にいたスペラさんが引っ付いてきた。
「あの、移動しにくいんですが…」
「気にしないで」
「なんで引っ付いてるの」
「他の人、怖い」
「あの…」
もうこれ以上言っても無駄だった。
「私は魔法を使えないからナユタと一緒に行く」
「めんどくさいな、お前!」とも言えず、俺はどうすることもできなかった。
1週間、同じような生活が続いた。周りからは
「可愛い彼女ができたわね」とか、
「羨ましいな、金髪美少女とイチャイチャできるなんて…」とか、
「ナユタ君は女の子とピッタリと引っ付いて楽しいんですか!楽しいんですね!」(プルガさん)とか色々言われた。
帰宅すればすぐに離れてくれるのだがこのままではまずいなと感じた。
明日は休日。シオンさんとプルガさんと一緒に魔法練習をするつもりだ。流石に休日くらいはゆっくり自分のことをさせてほしい。
*****
来た。スペラさん、来た。
「大丈夫です。気にしないでください」
「ええ。気にしますね」
なぜ気にするかというと…
「また、ナユタ君がイチャイチャしやがってぇぇ。こらぁ!離れなさい!」
このようにプルガさんが壊れるからだ…
「この子が転入生の子ですか?」
シオンさんが冷静で助かった。
「見ていてもいいんじゃないですか?練習するだけですけど」
「むむむ…今度、私もそれしてもいいって言うなら、許可する!」
スペラさんは小首を傾げながら「いいよ」と言った。俺は良くないんだけどねぇ!
「それじゃあ行くよ!ナユタ君!」
今日のプルガさんはめんどくさいなぁ…
「俺の課題は捜査範囲の拡大ですよね。今日までに頑張ってみます」
《無限の鎖》
魔法を使った瞬間、スペラさんが腕を掴んだ。
「今は魔法練習中です。危ないですよ」
それでも黙って離さない。
俺は仕方なく魔法を止めた。
「邪魔をするなら離れていてくだs…」
「ナユタ君、王都へ行きますよ」
俺の言葉を遮るようにスペラさんが言った。
「今なんて…?」
「黙ってついてきてください。外に馬車を用意しています。すぐに出発しますよ」
そう言われて腕を引っ張られて本当に外にいたばしゃに無理やり乗せられた。
「では、わたし達はこれで」
俺は腕と足を縛られて自由を奪われたまま馬車は進みはじめた。
「強引に連れてきてしまってすいませんでした。私、スペラ・レギーナと申します。王都の第二王女と言えば分かりますか」
「あいにく、俺はあの街から出たことがないんだ。で、今から何すんの」
「王都へ行って、王様に会うだけですよ。他は何もしませんから」
そこからスペラとは何も話さずただ逃げることだけ考えていた。
「着きましたよ」
考えが出る前に王都に着いてしまった。
「縄をほどきます。逃げないでくださいね。まあ、逃げたとしたら首が飛んでいくだけですけど」
俺は城のようなところに入っていく。
前にスペラ、左右に1人ずつ、後ろに3人の護衛みたいな人ついていた。
「お父様、例の者を連れてきました」
「そうか、ご苦労だったな。あなたも、急にお呼び出しして申し訳ありませんでした」
おそらく王とみられる男性と目が会う。
その男性は笑っていたが、その目は、あの時、父を殺したあの男のような目をしていた。
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