61 筆記試験
「うわぁ、まじで見られてる…」
試験が始まるまで教室の外ではたくさんの大人(主に親)が見ていた。
俺が外の様子を見ていると、声をかけられた。
「筆記試験を隣で受ける、ケイだ!よろしくな!」
急に声をかけられてビックリした。同い年か少し上くらいの少年がいた。俺はすぐに対応出来ず、お辞儀だけした。
「なんだよ、もっと緊張ほぐせって!リラックス、リラックス!お前の名前は?」
俺がそいつの勢いにやられそうになっていたとき、
「こら、ケイ。相手が驚いてるでしょうが。ケイが待ちに待った試験ってことはわかるから、もう少し落ち着きなさい」
少年の頭を叩いた、これまた同い年か少し上くらいの少女が言った。
「ごめんなさい。今、こいつ、興奮していて…」
俺は、「いえ、大丈夫ですよ」と、だけ答えて試験を受ける席に着いた。
教室の扉が開いて試験監督が入ってくる。
「それでは冊子を配ります」
一つの教室で50人ほどが受け、それが四つの教室で行われる。倍率で言えば約4倍ほど。入学にはかなり厳しい。「ナユタ君なら大丈夫よ」と、プルガさんは言ってくれたが、変に緊張してしまう。
冊子が配り終わり、教室に緊張が走る。
「…………始め!」
一斉に試験に取りかかる音がする。
俺はゆっくり深呼吸をして始めた。
(あれ?これ、見たことある問題しかない…)
プルガさん特製問題からほとんどの問題が出ていた。
五分ほどで問題を全て解いてしまった。
(暇だな〜、トイレに逃げて他の勉強しようかな)
そう思っていた俺だが、問題用紙に無意識で、自分の知識を書いていた。
試験が終わる3分前、俺は問題用紙に無駄なことをたくさん書いていることに気づく。
(ヤベェ、消さなきゃ!)
俺は3分間、必死に書いた字を消していた。
そのことは教室の外でも話題になって、話し声が聞こえた。
「あの奥の少年、何しているんだ⁈」
「少し前からずっと何かを書いていたけど、おもむろに消し始めたぞ」
「問題がわからなくて、落書きでもしていたんじゃないですか」
「あの少年、すげぇ必死だ…」
「あそこまで必死だと、何書いていたか気になるな」
「消し疲れて息が上がってるぞ」
「すげぇ気になる…」
「………やめ!」
俺はギリギリ全部消すことができた。
「はぁ、はぁ、疲れた…」
「後ろで見ていたけど、何かあったの?」
さっき、あの少年の呪縛を解いてくれた少女が話しかけてくる。
「いや、落書きしまくってて、必死に消していただけで…」
「そうなの。まあ、全部消せたならよかったわね。
そう言われた。
一方、隣に座っていた少年は、「楽勝だったわ」と言っていた。
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