57 言い合い(再び)
「あっナユタ君」
150メートルほど先にプルガさんがいた。
あの誕生日会以来あまり見ていなかったが、どこに行
っていたのだろうか。
「ナユタ君に誕生日プレゼントをあげたいのですが、ひとつ質問していいですか?」
ちなみに誕生日会での記憶がほとんど無いらしい。なんでプルガさん、お酒飲んでるんだろ…
「ナユタ君は剣士になりたいですか?魔法使いになりたいですか?」
「えっ?」
「この学校に入ることを前提に話させてもらいます。この学校では剣士志望の子と魔法使い志望の子が別れて模擬戦をすることがあります。だから、どちらになりたいか聞きたいです。そして、それに合わせたプレゼントをあげたいのですよ」
「どっちも、というのは、できないんですか?」
「それは難しいですね。将来、冒険者になるときにも申請しないといけないんですよ」
今までどちらとも一生懸命に練習してきた。だから、どちらも使いこなしたい。
「じゃあ、なんで今まで練習してきたのですか?」
「ナユタ君が例外なんです。普通は何かになりたいという強い意志があって学校に来ます。そして、学校で知識や技術を学ぶんです。
でも、ナユタ君はそれを飛ばして剣士になるための練習と魔法使いになるための練習をしたのです。
だから、ひと通り練習をさせてみて、どちらになりたいかを決めさせようと思ったのですが、ナユタ君は、どちらも挫折せず、続けてきました。だから、今、決断してください」
「そんなの無茶ですよ、どうにかならないんですか?」
なんども聞いても、プルガさんは「どちらかにして下さい」と言って聞かない。
「明日までに決めて下さい」
そう言って去って行った。
*****
「ナユタ君」
歩いていたら、リンネさんに話しかけられた。
「今、相手をしてもらうことはできるか?」
俺はプルガさんに言われたことで、剣、魔法のどちらともの練習に力が入りそうになかった。
「すいません、今はご遠慮させてください」
そう行ってその場を去った。
*****
「ナユタ君、今時間ある?」
俺は「すいません」と言って去った。
シオンさんは、「ちょっと待って」と言っていたような気が、すぐにその場を去った。
*****
「あら、リンネさん」
「ナユタ君と一緒じゃないのか」
「えっ?」
会話の後、二人はナユタの様子がおかしいということで合致した。
「後を追いますか?」
「そんなことしてもいいのだろうか?」
「可愛い教え子のプライベートを知りたいじゃないですか」
「むー…」
こうして、二人は後を追うことになった。
読んで下さりありがとうございます(`・ω・´)
よければ、ポイント評価や感想を書いていただけると嬉しいです(o^^o)
今後ともよろしくお願いしますm(_ _)m