41 学校見学
「ナユタ君は医務室、闘技場以外は行ったことがないんですよね?」
「はい。他の出し物は見ていません」
「あくまで勉強の為に学園祭に来たということでしょうか」
「そうなんですが、初日に投げられたもんで…」
「そして、シオンさんに助けられて一目惚れを…」
「何言ってるんですか!」と、俺が言うと、
「そんなことより、模擬戦、してみる?」
俺は息を飲んだ。
「俺がしてもいいんですか?」
「今回は、学園長権限で模擬戦に参加できることにします」
学園長は「なんか、息子ができたようで嬉しいわね」と言って、生き生きしていた。
*****
「まず、この学校について知っていることはありますか?」
学園長が聞いてきた。
「知らないことしかありません。父に学園祭の1週間ほど前に「行ってみるか?」と言われただけなので。」
「それでは、軽くこの学校について説明しますね。
ここは主に優れた冒険者を排出する為に、知識と戦闘力を養う学校です。年による学年分けはないんですよ。一学年生が何歳というのがないんです。
とは言っても、一般的には7歳で入学するんですが。たまに、同じ学年に5歳ほどの年の差ができることもあります。ナユタ君が今年の入学試験に合格したらナユタ君は5歳で入学できるんですよ。そうしたら最年少で学校に入ることになりますね。
そして入学してから五年間、真面目に授業を受けたら卒業です」
シオンさん、そういえば2年って言ってたな。トーナメントで上級生を倒し続けてたのかな。
「基本的な部分はそのくらいです。まずはどうしましょう…年が近い一学年のところに行きますか」
学園長は話を勝手に進めて一学年のところへ行くことになった。
「ナユタ君、ここが一学年の教室です。今は何をしているんでしょうか」
学校にはクラスというものがなく、40〜60ほどの人数で学年が分かられているらしい。
「これはモンスターの授業ですかね。前にヴィーパーの絵が描かれてますね。特徴とかを学ぶんでしょうか」
「ナユタ君はモンスターの特徴とかはわかるの?」
「はい。と言ってもまだ曖昧ですが…父のくれた図鑑で名前と特徴、弱点は覚えているつもりです」
「知識の方は大丈夫そうね。モンスターのこと覚えるのに、結構時間がかかるのよ。ナユタ君、どんだけ勉強したの?ぜひ、うちの学校に来てほしいわ」
だいぶガチトーンで学園長が言った。
「それじゃ、外で実践練習してる二、三学年のところに行きましょうか、そこで模擬戦を頼んでみましょう」
模擬戦の相手って一学年じゃないのか…シオンさんが強いとしても同じ二学年の人だ。その上の三学年の人もいる。
「学園長、俺を殺すつもりです?」
「その知識を見越してよ。ラグ君に教えてもらってるなら二、三学年の人たちは倒してもらわないと〜」
俺の相手、あんたのとこの生徒だろ!倒されちゃまずいだろ!
心から叫びたかった。
午前に投稿できませんでした…(>人<;)
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