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やり直した人生は変えてくれる  作者: あるかり
33/307

33 書庫

その日、プルガは学園の図書館にいた。


「普段、図書館にいない学園長がなぜ図書館にいるんですか」


「いや、少しばかり気になったことがあってね」


学園長は笑顔でそう答えると、奥の部屋に1人、入っていった。


「[鎖]…どこかで見落としてるかもしれない。もう一度、一から探してみよう」


そして奥の部屋で1人、プルガは部屋の端から部屋の端までの本を読み返したが、鎖という文字はなかった、というと嘘になる。詳しく言うと、「魔法」について書かれている本にはなかった。


「これは…」


最後にプルガが手に取った本は「妖術」について書かれた本だった。


魔法と妖術はさほど変わりはない。が1つ、決定的な違いがある。


魔法は人間の意図が反映される。


だが、妖術は「人間が意図していなくても危害を加える力」という意味で使われる。


魔法という概念は一緒ということで、同じ書庫に入れたのだろう。


プルガは最後にその本を開いた。


その本の1番初めに恐ろしいことが書かれていた。


「妖術はこの世界で最も強い力である。魔法なんか比にならないほどである。無数の鎖で繋がれ、その力を鎮めている。鎖が解ける時、自我を忘れ、心身を滅ぼし、周りへ大きな影響を及ぼすだろう」


[鎖]。この本でしか見つけられなかったものだった。


そして、最後の文の「周りへ大きな影響を及ぼす」という文面で、この学校で1番の事件のことを思い出した。


三年前、ある生徒が起こした事件。自我を忘れ、心身を滅ぼしていき、周りの人々を殺していったあの事件を。


プルガは静かに本を閉じ、この真実をナユタに伝えるかどうかを悩んだ。


プルガは新しい彼自身の魔法であることを望んだ。でも、そうでなく、そのまま練習を続けていくと、彼自身、死ぬことになる。それはどこであろうと、他の誰かが死ぬことはほぼ間違い無いだろう。


「私はどうすることが1番正しいのか…私に優れた判断はできるのか…」


練習をやめさせるのが1番の練習をやめさせるのが1番の判断と思っていた。でも、ここで辞めさせたら、ナユタは…という、複雑な気持ちだった。


プルガは書庫の奥。


1つの本の前で1人、自分の不甲斐なさに泣いていた。

読んで下さりありがとうございます(`・ω・´)


よければ、ポイント評価や感想を書いていただけると嬉しいです(o^^o)


今後ともよろしくお願いしますm(_ _)m

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