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やり直した人生は変えてくれる  作者: あるかり
31/307

31 信頼

「目が覚めましたか」


俺が起きるとあたりは赤くなっていた。


「ここは…」


「外、ですね。ナユタ君、また倒れたらと知ったら、お母さんたちとても心配するでしょうし」


俺は、シオンさんの膝に頭を乗っけて寝ている体勢だった。俗に言う、膝枕というやつだ。俺は照れくさくなってすぐに体を起こす。


「ナユタ君もそんな反応するんだ。私、初めて見たかも。ナユタ君が見せる、ちょっとスキがある行動。ナユタ君、ずっと何かに警戒してるようだったから」


シオンさんはいたずらっぽくヘヘヘっと笑う。


「昨日の今日だったから、そりゃあ疲れもあるよ。ごめんね、辛いってすぐ気づかなくて」


俺は、「いえ、家に帰さなかったお気遣いありがとうございます」と言ったら、シオンさんは、「いつものナユタ君に戻った〜」と言って、楽しそうだった。


「それで魔法のことなんだけど、ナユタ君がダメじゃなかったらまた教えに来てもいいかな?」


ここまでしてくれたんだ。俺は断る理由もなく、「はい、こちらこそお願いします」と答えた。



*****



「今日はもう暗いからこれで、家に帰って安静にしておくのよ」


そう言って、シオンさんは帰っていった。


ところで、次はいつ教えに来るのか…聞くのを忘れていた。


少し離れたところで母の声が聞こえる。


「ナユタ、そろそろ帰って来なさいよ」


俺はそれからすぐ家に帰った。



*****



次の日、父は「仕事がある」と外に出ると、2秒で家に帰ってきた。


「そ、そそとに、外におおお、女の子が、、、」


いくらなんでもビビりすぎだろ…


俺はそう思い、外へ出た。そこには、髪の長い女の子が横たわっていた。


「わぁぁぁ!って、シオンさんじゃないですか。何してるんです?」


地面に横たわっている女の子、シオンさんがいた。


「いやぁ、昨日のナユタ君の反応が可愛かったから、これからナユタ君のいろんな反応を見たいなって。今日の「わぁぁぁ!」も可愛かったですよ」


シオンさんは満足そうだった。


後ろでまだビビってる父をどうにかしてほしい。本当に冒険者やってる?


「今日は私、午後に試合があるから、午前は一緒に練習しようって思って来たの?迷惑だった?」


俺は「そんなことありませんよ。ありがとうございます」といって、すぐに練習の準備を整えた。


シオンさんは「ちゃんと休みましたか」と、体調のことをよく聞いてくる。学園長が言っていた「面倒見がいい」というのは嘘ではなさそうだ。


「おそらくシオン君、今、学校に来るのはちょっと難しいようですから、試合の中継のモニターを渡しておきますね。これでちょっとでもナユタ君の勉強に力を貸せるなら…」


とてもありがたいことだった。


こうして俺は、両親のほかにちゃんと信頼を持てる人が、1人できたのだった。

読んで下さりありがとうございます(`・ω・´)


よければ、ポイント評価や感想を書いていただけると嬉しいです(o^^o)


今後ともよろしくお願いしますm(_ _)m

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