27 シオンの教え
「ナユタ君は魔法を使う練習はしたことがありますか?」
勉強をしたことはあるが、練習をした事は無い。素直に首を横に振った。
「そうですか。なら、1から教えましょう、その前に少しだけテストしてもよろしいですか?簡単なテストなのでナユタ君なら答えられるはずです」
俺は少し緊張した。
「魔法を使うにはどうすればいいかわかりますか?」
俺が1番最初に勉強したことだった。
「はい。個々人が持っている自分の魔力に、強く力を込めることで魔法は発動します」
「ナユタ君、ご名答です。魔法が使えない人は魔力を持っていないと勘違いしてる人が多いようですが、ナユタ君は、そう勘違いしていなかったんですね」
「勉強してましたから」と、ちょっと自信に満ちた顔する。
「では魔法はどのくらいの種類があると思いますか」
「 50ほどでしょうか」
俺が何度も調べてみても、答えの出なかった疑問だ。
「正解は無限です。一人一人、使える魔法は異なってきますからね」
驚いた。そしてそれを見つけるまでどれだけの時間がかかるのかそれを考えるとちょっとゾッとした。
「自分の魔法を見つけるには…」と聞くと、シオンさんは優しく答えた。
「その心配はいりませんよ。魔法が使えるとなると、自分がどんな魔法を使えるのか、何故か感じることができるんです。私の場合は、練習をしていると急に何かが弾けるように感じたんです。それから私は感じたままに爆発系統の魔法を練習し続けました。だからナユタ君も、練習を続けると自身で何の魔法が使えるのかがすぐにわかりますよ」
シオンさんがそう言うと「さぁ、早く始めましょう」と言い、練習が始まった。
「そうですね、最初は両腕を前に出して手を広げてください。そして、[魔法出ろ〜〜]って感じでやってみてください」
魔法出ろ〜〜ってどんな感じ?シオンさん、感覚で伝えてくるな…
「そうしていたら、いずれ自分がどんな魔法を使えるのかがわかりますよ」
「シオンさんに1つ聞いてもいいですか」
シオンさんは「いいですよ」と答えた。
「シオンさんは今までに魔法を教えた人はいますか?」
すると、シオンさんは、
「みんな私に魔法の使い方を教えてって言うんですけど、いざ教えようとすると「やっぱりいいや」って言われるんですよ。なんででしょうね…」
これダメだ。シオンさん教えるの下手な人だ。
すぐさま学園長に助けを求めた…
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