251 ギルド訪問
復活しました
「すみません」
いち早くギルドについたナユタがそこにいたギルド職員らしき人に話しかける。
「今色々と忙しいんだ。後にしてくれ」
そこにいた男は目も合わせずに何か作業をしている様子だった。
それでもナユタが引き続き問いかける。
「すみません」
「チッ、大変だって言っているだろ。ガキは家の中でぬくぬくと過ごしてろ」
チラリとナユタの方を見た職員らしき人は舌打ちをしてからそう吐き捨てた。
「すみません」
「うっせーなぁ!」
遂に職員が近寄ってきて腕を振り上げる。
「こんな事して、いいんですか?」
ナユタはそれに動じずにそのまま突っ立っている。そこにユカがやってくる。
「何してるのよ」
女の子を見たギルド職員は振り上げた手を下ろし、後ろを振り返る。
「ちっ、なんだよ」
「あの、馬車の記録用紙的なものありませんか?」
ナユタがすぐに質問をする。
「ねーよ。わかったらさっさと帰れ。お嬢ちゃんも気をつけて帰れよ」
職員らしき人が手を払って帰れ、と訴える。
「ここで馬車の運営をしていると聞いてここに来たんですが、そうではないんですか?」
「いや、そうだが、俺は知らねぇ。ちゃんとこっちにも役割ってのがあるんだ。詳しく知らせることは出来ないが、まあ、そういうことだ。馬車の運営の担当はこの前変わったばかりだったな。まあ、どうでもいい話だ。さっさと帰れ。事件のことも知らないわけではないだろう?」
そう言ってまた職員らしき人はごそごそとし始めた。
「あなたは何をしてるのよ。あなたも帰った方がいいんじゃないの?」
「子供には言えない事情ってのがあるんだよ。わかったらとっとと帰りな。親御さんも心配してるだろうよ」
「ちょっとあんた!」
ユカが職員に詰め寄る。
「あんた、ここに勤めているならここらの子供くらい把握しているでしょ。何で親の話なんてしたの?」
「い、いや、俺は最近ここに勤め始めたばかりだ。何か問題があったのなら謝る」
職員がユカとの距離を置く。
「ユカ、そんなに言わなくてもいいから…」
「無理はしないで。私が何とかするから」
「だからいいって…」
ナユタの声はもはや届いていないようだった。
「ちょっと落ち着いて…俺が悪かったから…」
「人を傷つけて楽しいですか…?」
「だから謝ってるんだよ!何が気にくわないんだ!」
次第にヒートアップしていく。
「私じゃなくてナユタに謝ってよ!」
声を上げるユカを制止するようにナユタが腕を掴む。
「もういいよ…すみません、ご迷惑をおかけしました…」
ナユタが掴んだその手は小刻みに震えていた。
2人がギルドから去った時、ギルドの中では数名の人影が話していた。
「後もう少しだが、大丈夫なのか?」
「邪魔が入りましたが、もうすぐですぜ」
「この世界ももうすぐ俺らのものだな…」
街では静かなままだったが、不穏な空気が流れているのは間違いなかった。
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