25 医務室
試合から5分もかからずシオンは帰ってきた。
俺は魔法について聞くことしか頭になかった。
「ちゃんと安静にしていましたか」
部屋の扉が開き、シオンはすぐ俺に問い掛ける。
「おや、学園長もいたんですか。事情は詳しく教えてもらえましたか」
俺は「はい」とすぐ答えて、試合で使っていた魔法について聞いた。
俺は、勉強する際にたまに魔法の事について勉強する。 父が、「ナユタなら魔法も使えるかもな」と言ってくれたからだ。でも勉強した魔法の中にあのような魔法はなかった。
「シオンさん、さっき使っていた魔法は?」
急に魔法について聞いてきて驚いている様子だが、すぐに答えてくれた。
「あれは、《エクリクシス》と言う魔法の弱体化させたものです。弱体化させなかったら死人が出てしまいますからね」
笑顔で怖いことを言っていた。
「シオンさんは、あの爆発系統の魔法のプロフェッショナルなんです、なかなかいない逸材なんですよ」
学園長がニコニコしながら言っている。
それに対してシオンさんは「やめてください学園長!」と言いながらも少し照れた様子だった。
「ナユタくんは魔法が使えるのですか?」
学園長が聞いてくる。
「いえ、昔、お父さんにナユタなら魔法が使えるかもなと言われたので少し勉強しているだけです」
そう答えると学園長驚いたようにこういった。
「ラグ君がそんなこと言ってたの?昔じゃありえないわね。あの子が学生の頃だったら「お前なら無理だ」とか言ってそうなのにね」
学園長がこういう。続けてシオンさんが
「魔法は誰でも使える筈ですが、使えない、という人が多くいます。いろいろなことが挙げられますが、多くの理由は魔法の本質をよく知らないというのが挙げられます」
後ろで、「ラグ君みたいに剣一筋!!っていう子もいますけどね〜」と、父の昔話をしている学園長がいきなり手のひらをポンッと叩いて言った。
「魔法が使いたいなら、シオンさんに教えてもらうのはどうでしょう?次の試合まで丸2日の時間がありますし、この年で原石が見つかるなら磨いておきたいじゃない!ね、いいでしょ?」
シオンさんは
「時間はありますし、教えるのはいいですが、まだナユタ君を安静にしておきたいです…」
と言っている。
「なら明日!明日また学園祭に来てください!場所は用意しますので!」
どうやら教えるのはほぼ決定らしい。
俺もできることなら教えて欲しい。
だが、まだ人のことを信じているわけではない。俺も疑心暗鬼になりすぎていることはわかっている。でも怖いのだ。 2度も3度も体験した裏切りと言う行為があるから。
「明日は生徒の体を休めるため、トーナメントは休みとなっているの。学園祭は朝の8時からやっているのだけれども何時頃来れるかしら?」
「8時でお願いします」と言うが心のどこかで信じない俺がいる。
俺は俺で自分自身を苦しめ続けている。
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