202 森までの会話
陽が落ちかけた頃に3人はギルドに帰ってきた。
「俺はこれ済ませてくるから、あと適当に選んでおいてな」
レイが受付の方に行く。
それと同時に他の冒険者から質問責めにされる。
「まさかとは思ってはいたけど、もう子供まで持っていたとはね…いつに結婚したの?」
この時間帯、帰りの冒険者も多く、2人の方がギルド内でも有名なこともあり、このような結婚疑惑が冒険者内で騒がれた。
「あの!俺は2人の子供ではありませんので、2人は今の所、何の関係もありません!」
ナユタがみんなに聞こえるよう、大きく声を出す。
「分かったよ。そこの子は誰なの?まさか…誘拐…⁈」
「してないから!倒れていたのを見かけただけだから!家も分かっていて、明日には帰らせらつもりではあるから」
2人がいろんなことでいじられていたが、もうすぐ出発するというのが分かったら、「頑張れよ」や「気をつけて」と言った声をかけられた。
「これだから嫌いになれないのよね」
「アイナって他と冒険者と話すの?」
レイが唐突に聞く。
「パーティー組んでおいて、失礼ね。話す人ならいるわよ。…数人ではあるけれどもね」
「へぇ〜。俺としか話してないのかと思ってたわ。なんか1人でいるイメージが強すぎたのかな」
「次、何か私にとって嫌なこと言ったら…分かるよね?」
「ごめんって。ちょっと安心したというか、でも、ちょっと寂しいというか…」
「何が寂しいのかは分からないけど…レイはいるの?」
「うるさい…」
急にレイの声が弱くなった。
「えっ…⁈いないの⁈すごく意外だ…いないのに人を呼び止めてから自分のパーティーに入ろうって誘ってきたって考えると…告白?」
「違うから!ナユタも静かに笑みをこぼすな!」
楽しく会話をしているうちに、辺りはもう暗くなっていた。
「ナユタ、アイナ、あんまり離れるなよ」
「分かった。じゃあ、手」
アイナが手を出すように指示する。
「手を繋いでおいたほうがみんながいるって分かっていいでしょ?」
「まぁ、そうだな…」
ズボンの擦れる音がする。恐らくレイが手を拭いているのだろう。
「そんなことしなくても良いのに。今から熱くなってどうせ汗かくのに」
「そうだよな」
ものすごく気の入っていない返事だった。
「汗が嫌なら腕でも組む?」
そう言って暗闇の中、アイナはレイの腕にしがみつく。
「それはやめてくれ…動きにくいし、何より理性がもたない…」
「別に何しても良いけど、ナユタからは見えないところでね?」
そんなやりとりをしていたのだが、その横でナユタは1人静かに見守っていた。
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