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やり直した人生は変えてくれる  作者: あるかり
202/307

202 森までの会話

陽が落ちかけた頃に3人はギルドに帰ってきた。


「俺はこれ済ませてくるから、あと適当に選んでおいてな」


レイが受付の方に行く。


それと同時に他の冒険者から質問責めにされる。


「まさかとは思ってはいたけど、もう子供まで持っていたとはね…いつに結婚したの?」


この時間帯、帰りの冒険者も多く、2人の方がギルド内でも有名なこともあり、このような結婚疑惑が冒険者内で騒がれた。


「あの!俺は2人の子供ではありませんので、2人は今の所、何の関係もありません!」


ナユタがみんなに聞こえるよう、大きく声を出す。


「分かったよ。そこの子は誰なの?まさか…誘拐…⁈」


「してないから!倒れていたのを見かけただけだから!家も分かっていて、明日には帰らせらつもりではあるから」


2人がいろんなことでいじられていたが、もうすぐ出発するというのが分かったら、「頑張れよ」や「気をつけて」と言った声をかけられた。


「これだから嫌いになれないのよね」


「アイナって他と冒険者と話すの?」


レイが唐突に聞く。


「パーティー組んでおいて、失礼ね。話す人ならいるわよ。…数人ではあるけれどもね」


「へぇ〜。俺としか話してないのかと思ってたわ。なんか1人でいるイメージが強すぎたのかな」


「次、何か私にとって嫌なこと言ったら…分かるよね?」


「ごめんって。ちょっと安心したというか、でも、ちょっと寂しいというか…」


「何が寂しいのかは分からないけど…レイはいるの?」


「うるさい…」


急にレイの声が弱くなった。


「えっ…⁈いないの⁈すごく意外だ…いないのに人を呼び止めてから自分のパーティーに入ろうって誘ってきたって考えると…告白?」


「違うから!ナユタも静かに笑みをこぼすな!」


楽しく会話をしているうちに、辺りはもう暗くなっていた。


「ナユタ、アイナ、あんまり離れるなよ」


「分かった。じゃあ、手」


アイナが手を出すように指示する。


「手を繋いでおいたほうがみんながいるって分かっていいでしょ?」


「まぁ、そうだな…」


ズボンの擦れる音がする。恐らくレイが手を拭いているのだろう。


「そんなことしなくても良いのに。今から熱くなってどうせ汗かくのに」


「そうだよな」


ものすごく気の入っていない返事だった。


「汗が嫌なら腕でも組む?」


そう言って暗闇の中、アイナはレイの腕にしがみつく。


「それはやめてくれ…動きにくいし、何より理性がもたない…」


「別に何しても良いけど、ナユタからは見えないところでね?」


そんなやりとりをしていたのだが、その横でナユタは1人静かに見守っていた。

読んで下さりありがとうございます(`・ω・´)


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