194 2人との出会い
遅れました…
ナユタがベッドの上で落ち着いてから2人が質問を投げかける。
「単刀直入に聞いて、何があってからあそこにいたのかを教えてくれない?」
「…何もないです。森を感じてました」
ナユタがプイッと視線をそらす。
「迷子なのか?それとも、脱走か?」
「今、この時点で言えるのはただ一つです。誘拐されてます」
アイナとレイは思った。
((扱いづらい子だなぁ…))
「用は済みましたか?もう解放してもいいんじゃないでしょうか…?そろそろ助けを呼んで騒ぎ立てたいんですけど」
「最後にひとつだけ。親元は?」
ナユタはそれを聞いて黙り込む。
「親は…殺されました」
先ほどまでサラッとした返答だったが、急に声色が暗くなったのを聞くと、どうも体が動かなくなる。
「もう、いいですよね」
その場を離れようとするナユタをほっとけなかったのか、アイナが手を差し伸べる。
「楽しいこと、しましょう?」
「別に俺、楽しいことなんて、求めてないですけど。さらに言うと、病人ですし。そんな人を連れて楽しいですか?」
「じゃあ、したいことをさせてあげるわ。何がいいかしら」
「風邪に効果のある魔法の開発、又は、薬の開発がしたいです」
驚いただろう。したいことが予想の遥か上をいっていたのだから。
「自分が風邪になって初めてわかりました。自分がこんなにも辛いのに、さらに周りの人にも迷惑をかけてしまう。そのために、自分の風邪の早期治療にも、周りの安心にもつながるようなものがあればいいなと思いました。お二人もそう思いませんか?体の怪我を治す魔法はこの世に存在しているのに、風邪を治す魔法がないのはおかしいと思いませんか?」
唖然。アイナとレイの様子で一番しっくりとくる言葉はこれだった。
「確かに、そうかも知れないな」
レイがナユタの意見に乗った。
「どうだ、アイナ。たまにはこう言うことしてもいいんじゃねぇか?」
「むむむ……わかったわ。手伝ってあげる。名前聞いてもいい?」
「ナユタです。よろしくお願いします」
3人の意見が決まったところで、外に出る。
そこは見慣れない光景だった。
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