192 ナユタがいなくなった日
「ゴホッゴホッ…風邪か…」
風邪を引いたナユタが起きた夜、そこには誰もいなかった。まだ風邪を引いているにもかかわらず、もう動けるといって体を起こす。そのときにナユタは思った。
「怪我をしたとき、毒、痺れがあるとき、そんな時では魔法の効果で体を治せるらしいが、何で風邪に効果のあるものはないのだろうか…」と。
そう思ってからナユタは悩まなかった。世界にないなら自分でやればいい、と。
風邪で頭がやられていたのもあり、行動するに迷いがなかった。
(誰もいないなら、外で探せばいいや)
夜の家を抜け出して、そのまま闇に消えていった。
〈次の日〉
「ナユタがいなくなってる…⁈」
「まさか、夜に抜け出したのかな…」
「自分で立てないくらいの重症だったから抜け出せないと思った私たちの失敗ですね…」
「どんだけ外に執着しているのでしょうか…」
「でも、リーダーのことだから、心配をかけてしまった…という心配よりも、何で風邪が治らないんだろう…とか思ってそうですよ」
「あり得る…めちゃくちゃあり得る。ないなら手段を作ればいいとか言いそうだもん」
「どこにいるんでしょか…恐らくですが、治癒魔法系統の魔法師の方々に片っ端から聞いて回っているとかですかね…」
「ナユタにとって常識なんてものはないから、夜間でも人の家ノックして回ってそうだし…」
「みんなナユ君のことそんなに常識ない人だと思ってるの?さすがにそこまでではないと思うんだけど…」
「真相はわかりません。本人を捕まえて、徹底的に問い詰めましょう。それしか方法はないです」
「手分けして探そう」
ユカ、ユナ、サーラはナユタを追って走っていった。
それから昼まで街のいたるところを隈なく探した。
「どうだった…?」
「こっちはダメでした。目撃情報すらありません…」
「私も。逃げても人の家の扉を叩くことはしなかったらしいわね」
「ユナさんはどうでした?」
「目撃情報らしい情報はあったよ。昨日の夜、小さい子が1人であっちの道に走って行った、ってね」
指をさす方は王都の方。まさかとは思ったが、もうそれしか希望はなかった。
「王都では優秀な冒険者が多い。可能性としては無くはないわね…」
「行きますか…?行きませんか…?」
「これは大きな賭けだけど…お姉ちゃんはどうする?」
「それだけ探して見当たらないんです…もう、この情報を頼りにして探しに行こう」
3人は確信が持てないまま王都の方へと向かった。
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