166 仕事
「それで、どうしてここに戻ってきたの?」
「私らのもとに一通の手紙が送られてきてね。場所が北のほうってことだったから、通り道であるここに寄って行こうって話になったんだよ」
それを聞いて親2人が顔を見合わせながらボソボソと何かを言い合っている。
「何?どうかしたの?」
ユカも異変に気付いて、何について話しているかを聞く。
「いや、ここからまだ北と言うことはもう場所が限られてくるんだ。街はなく、全部村になっている。と言っても、2つあるうちの1つはもう当分前に壊滅した村、そしてもう1つが…」
なんだか言うのをためらっている様子だ。
「何かあるのですか…?」
「ああ、実はだな。今そのもう1つの村が荒らされているんだ。魔族によってな」
「それって、ここからどのくらいの村なんですか…?」
「それが、だいたい1日、いや半日はかからないくらいにある村だ。そのせいで、この街の住民もとても恐れているんだよ」
それを聞いてからのナユタの行動は早かった。
「ちょっ!どこ行くのよ!」
「どこって部屋に戻るだけだ。こいつ(剣)の手入れしてくる」
ナユタは他の人の話も聞かずに、足早に去って行った。
「やっぱり、こう言うところってナユタらしいわよね」
「まさか倒しに行くとかは言わないよな…」
「ちょっと前みたいに私とお姉ちゃんだけだと、こんなこともしていないけれど、2人が入ってからこれくらいは当たり前になったよ。そして、全部の問題、ナユタが解決してくれるから」
「相手はあの魔族だぞ。行かないで帰った方がいい」
「そんなこと言われてもナユタは行くわ。昔同じにされた奴らを拝みたいんでしょうよ」
「どう言うことだ?」
「ナユタから聞いたんだけど、昔、お前は魔族だ、って蔑まれたらしい。強過ぎてね。だから、ナユタはその魔族って奴らがどんな奴らかを見てみたいんでしょうよ。おそらく止めても無理だわ。今回は見送ってあげて。ちゃんと危なくなったら止めるから…」
「まあ、仲間の親がどうこう言うことはないな。ただ、帰りにもう一度ここに寄って行くこと。それだけは守ってくれ」
子に似てなのか、親も活発な人だった。それからのこと、明日のために、と言ってすぐに寝て、しっかりと計画も立ててくれていたそうだ。
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