162 旅
「久々にこの街から出るわね。なんだか昔より距離が縮まったように思えるわ」
馬車に乗り込んでから数分、ユカがそんなことを口にする。
「俺は最初からこんな感じだったように感じる。まあ、ユナとは前よりは話すようになったかな?」
「そうねー。私はなんだか話しかけようと思ったらナユ君、逃げていたもんね…話せるようになって私は嬉しいよ」
「僕も初め、お二人とはあまり話していなかったように思います。正直に言って、ここまで続くなんて思っていなかったので…」
馬車の中ではワイワイ楽しく話していた。他の同乗者は居なかった。
「嬢ちゃんらはなんでこっち方面に?」
そもそも冒険者はほとんどこっちには行かないらしい。馬術師の人も気になったのだろう。
そんな時のために言い訳を考えておいた。
「ハンデルに里帰りをしに行くんです。なんだか懐かしく思ってしまって…」
「なるほどな。小さい頃から冒険者になると、よく里帰りをしに行くことも多いって聞いたことがある。嬢ちゃんらはみんなハンデルの出身かい?」
「私たち2人がハンデル出身なんです。ここ2人はまあ、色々な事情がありまして…」
「そこらにしときな。俺も深くまで問い詰めたりはしなぇ。ハンデルまで、安全に楽しい旅にしようや」
「ありがとうございます。私たちもしっかりと安全面でサポートしていきますね」
意外にも、ハンデルというところが遠かった。ユナの話によると、1日くらいだと言っていたが、実際には2日と半日かかるらしい。ハンデル側からの道だと、一本の道路を引いてあるらしいが、それがこちらからだと使えなく、時間がかかってしまうらしい。
1日目は何もなく、そのまま寝静まった。
朝、馬車で起きたナユタはとても違和感を感じた。
「家じゃないか…」
家の安心感というものは、とても大きなものだったことに気がついた。そのことによって、早く仕事を終わらせて家に早く帰りたいと思うことになった。
「おはよ〜よく眠れたかしら?ナユタは襲ってないでしょうね?」
「襲ってないよ!ところでさ、フーシャはどうしたの?」
「あの子はギルドマスターに頼んだわ。何回も会っていて慣れていたでしょうし、何するかだけは伝えておいたわ。お姉ちゃんもサーラちゃんも寝てるし、2人で朝ごはんを作ろうか」
「そうだね。何もしないなんて、もったいないしな」
そうして作っていたらユナが起きてきて、一緒に作ってくれた。
「いやー、食べたわね。これで一日中また動けるわ」
旅2日目も楽しく過ごせそうだ。
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