16 外
扉を開けるとそこには、悠々と広がる草原が広がっていた。
初めて外を目にして、感動した。
地球で見ていた景色と違う。そこには高い建物はない、ゴミが捨てられているアスファルトの道もない、汚くて嫌な空気もなかった。
ただ緑一面の世界が広がっていた。空気が美味しい。
そんなことを思っていたら、ただそこに立っていることだけで、幸せを感じれた。
「初めての外はどんな感じかしら?」
「…綺麗。すごく綺麗」
「ふふっ、そうね。私もこの景色を見て、ここに住もうと決めたかしら」
そう言いながら、母はスタスタと歩いていく。
「ナユタ、街まで行くわよ。ちょっと遠いから頑張ってね」
そう言って母は先へ先へと歩いていく。
俺も追いかけるように母の後をついていく。
*****
数十分して、街についた。そこは今までの景色とは違い、人々で賑わっていた。
俺は怖かった。そこにいる人たちの笑顔を見ると、地球の母の顔に見える。
怖かった。この人たちもあの母のように裏があるのではないのか、と考えてしまう。
今まで動いていた足がピクリとも動かなくなった。母の手を握りしめて、心を落ち着かせるしかなかった。
呼吸が荒くなる。それを見た母は
「ナユタ、帰ろっか」
そう言っていたが、俺は首を縦にも横にも降ることができず、ただただ意識が遠のくだけだった。
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