132 ヒミツ
「相談に乗ってくれる?」
「ああ。当たり前だ」
サーラが複雑そうな顔をして、遂に言葉を発する。
「僕のことなんだけど…」
「うん」
「ほら、僕のこと…」
サーラがゆっくりとフードを外す。
「ああ、そう言うことか」
「うん。知られたら今の関係がどうなっちゃうのかなって…」
妖精族のことをなにも言っていなかった。思えば、こっちに帰っていつもの店に行ってもフードを被ったままのような気がする。
「さっさと言うことは…」
顔を伺いながら聞いてみるが、難しそうだった。
「でも、それ以外は考えられないと思う。いつまでも隠し続けることは難しいことだよ」
「うん。分かってる。話したら少しは楽になったよ」
「本当にそれだけか?」
「うん。これだけ」
その時に扉が開いた。
「邪魔するわ!さっきからコソコソと何やってんの?」
付いてきていたユカが入ってきた。
「ダメでしょ!2人の大切な話かもって言っているのに…」
ユナが止めようとしているけれどもユカは聞く耳持たず、こっちに近寄ってくる。
「何してたの?」
「何って、話をしてただけだよ」
「本当に?」
ユカがサーラに近づく。
「話していただけなら、この驚き用はないでしょ!」
ユカが肩を触れるだけでもサーラがビクッとしている。
「話しなさい」
「俺じゃなく、サーラに言ってよ…」
「言ってるわよ。そんな2人じゃなきゃ話せない話なの?」
俺とサーラが目を合わして黙り込む。
「やっぱりそんなに問い詰めてもいいことはないと思うわよ。こんな話をずっと続けるならやめたほうがいいわ」
ユナが終わらせようとしたら、ユカも言い返す。
「でも、サーラちゃんの調子の狂いにつながるなら、にいておいたほうがいいじゃない…」
また姉妹喧嘩が始まりそうな寸前で、サーラが動いた。
「話させてください。この件はリーダーは何も悪くありません。責めるなら僕を責めてください。何なら解散していただいても構いません」
「解散なんて…そんなことしないわ」
サーラがフードを外す。
「こういう事です。今まで隠していてすいませんでした」
ちょっとした沈黙が続く。
「それって…」
「ええ。御察しの通り、僕は、妖精族なんです」
ユナはそれを聞いて静かに部屋を出て行った。
「まあ、そうなるよな。ユカはどう思った?」
「知っていたよ?あの感じだからお姉ちゃんは気づいていなかったようだけど…」
その言葉を聞いてサーラが質問していく。
「いつから、いつから知っていたの?」
「んー、当分前から気づいていたわ。それこそ、あの店で相席させられた時くらいに。Eランク昇格試験の時にギルドマスターから、「あの2人には色々な事情があるから」って言われた時に確信したわ。お姉ちゃんは案外感覚で人付き合いするから、今びっくりしているだけだと思う。明日には普通に話してあげてね」
「うん。わかった」
「それだけ?」
「うん」
「じゃ、明日からはしっかりとしてよね」
ユカがいつものような笑顔で帰っていく。
「よかったな」
サーラに呼びかけると、笑顔で静かに涙を流していた。
読んで下さりありがとうございます(`・ω・´)
よければ、ポイント評価や感想を書いていただけると嬉しいです(o^^o)
ブックマークを付けてくださると、私が凄く喜びます。続きが読みたいな、気になるな、と思ったら是非、ブックマークをお願いします(*^ω^*)
今後ともよろしくお願いしますm(_ _)m