105 決断と追跡
「リーダー、早く行くよ!いつも2人を待たせてるでしょ」
俺は悩んでいた。冒険者になろうかどうかを。
「分かったよ。あとで行く。先行って、クエスト選んでてくれ」
「分かった!」
一度学校に戻って、プルガさんと話をつけてこようかな。
俺はこっそりと宿を抜け出し、ヘイディア学園に足を運ぶことにした。
*****
「おっそいわね!いっつも、何時間待たせんのよ!」
「まあ、今まで2人でやってきたから、時間決めて動くってことがなかったんだと思うよ?」
「とは言っても、人気のクエスト取られてから来るってどう言う神経してんのよ!」
「でも、確か、尾行している時は、朝方に来て、「今日はいいのがあるな!やっぱりくるのは朝一番がいいな」なんて言ってたはず…」
「お姉ちゃん、リーダーなんだから、ビシッと言ってやってよ!」
「まあ、確かにそうね…」
そこにサーラがやってくる。
「いつも遅くてごめんなさい…いつもはこんな人では無いんですが…」
「ナユタはどうしたのよ」
「なんだか、「先に行ってクエスト決めとけ」って言ってました」
「それで素直に来たってわけね」
「そうですが…」
ユカは頭を抱えて、しゃがみこんだ。
「ああ、もう!これだから信用しまくってるコンビは嫌気がさすのよ!」
ユカがサーラの肩を掴んで揺らしながら言った。
「いい?ナユタは絶対に騙してる。絶対どこかへ行ってるわ。ここ最近、いつものアイツと違うじゃない!獲物見つけて、端から端まで殺しまくって、換金するような金への執着しかなかった男が、最近では私たちが言わないとモンスターを狩らなくなったやつよ!絶対何か、裏があるわ」
「わかりました…わかりましたからぁ…揺らさないでください…クラクラしちゃいます…」
ユカがいきなり揺らすのを止め、サーラは地面に座り込む。
「決めた!宿に突撃よ!居なかったら捜索するわ!」
「あの、一応私、リーダーなんだけど…」
そっちのけでユカはナユタとサーラが止まっている宿へ向かった。
「居ない…居ないじゃない!」
「宿主にも聞いたところ、出てないって…」
「これは黒ね!何かしらやってるわ!探すのよ!」
「クエストは…?」
「そんなことどうでもいいわよ!アイツの行きそうなことろ、全て探すわよ!」
それから手分けしてから探したところ、どこにも居なかった。
「なんで居ないのよ!まさか…」
「ちょっと、ユカ、待ちなさい!…全く…これだから…ごめんね、サーラちゃん」
「いえ、全然平気です。むしろ、このくらいが楽しいくらいです。リーダーにもこのくらいの行動力があればなぁ…ほんと、どこ行ったんだろ」
2人はユカの後を追った。
「やっぱり居たわ!お姉ちゃん、サーラちゃん行くわよ!」
「行くってどこに…」
「決まってるわ!ナユタのある場所によ!」
「わかんないから探してるんでしょうが…」
「居たわ!アイツは学校。方角が王都方面だから、恐らく、あの名門、ヘイディア学園にいるわ!じゃないとあの力は出せないでしょ!」
「今から行くんですか?」
「あったりまえよ!サーラちゃんもアイツのこと心配でしょ?」
「それはそうですけど…」
「じゃあ、決まりね!お兄さん、ヘイディア学園までお願いできませんか?」
「お兄さんなんて、お嬢ちゃんも上手いねぇ。少々値が張るが、それでもいいならいいよ」
「わかったわ!それではよろしくね。ほら2人とも乗って!」
2人が馬車に乗ってからすぐに馬車は走り出した。
「待ってなさいよ、あの生意気野郎。取っ捕まえて説教してやるんだから!」
ユカがとても楽しそうだった。
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