高瀬要、高校に入学する
※ この物語はフィクションで、登場人物の思想や発言は現実とは全く関係がありません。
ー「あ、あった!私の受験番号、これでまたみんな一緒の学校だね。嬉しいよ。」
ー「2人は合格確実だったでしょ。クラスは2人と同じならいいんだけどねぇ。」
ー「絶対一緒がいい!もちろん竹川もな。」
ー「アイツと同じだといいけどなぁ。」
ー「なに、笹野はあの人狙ってんの?頑張るねぇ。」
やあ、こんにちは。そして初めまして。僕は高瀬要、齢15の高校一年生さ。好きな物は大葉の天ぷらですよ。以後お見知り置きを!
今までとんと興味が欠片程も無かった日記を書こうと思うなんて、高校生という立場は魔法みたいだね。まあ日記というより、自省録の様なものもかねているので細かい事は無しで行きますよ。その方が長く続いてくれそうですからね。ああ、こういう物事の初めには沢山書きたくなってしまうな。でも敢えてペースを落としておこう。少しの物足りなさとか満たされていない感触とかが次回への意欲を生みそうだから!嗚呼、明日がこれだけで輝きを増すようだ。ありゃあ、もうこんな時間か。明日に備えて休まなければならないな。葛籠の中に収まるために、ね。じゃあ、ここいらでおやすみなさい、ですね。
明日とか前回書いていたけれど、やっぱり二日後になってしまったな。今日はつつがなく過ごせた普通、の日でしたよ。平穏なのが一番なのかな。でも少し刺激や驚きが足りないきもしましたけどね…。まあ刺激が無いなら自分で生み出すなり探してくるなりすればいいだけの話だよね!個人としての活動なら刺激がいっぱいだったよ。
まず、蓑虫の中身がちょっと出ていてね、燻し銀のような鈍い色だ。棒でつついたら物凄い素早さで引っ込んだ。その僕の様子を見ていた小学校からの女の子の友達がね、「要ちゃんは、大人しくて冷静だけど、そういうとこ見ると変わらなくて安心するなぁ。」と言ったのさ。別に僕だって人の子だから、根本的に急激に、そこ数年で変わったりはしないだろうにね。たかだか15の子供なのだからさ?まあ、中学の時みたいにはじけていないのは本当だろうがね。何はともあれ、ゆらゆらと愉しく可笑しくゆきたいな。おお、ページを結構使ってしまった。それではまた明日。明日とは限らないけど!
今日はちゃんと翌日に書いたよ。偉いだろう、褒めてくれても構わないぞ、日記殿や。ここで日記殿、と書いたけど、やはり名前が日記にもあった方が良いだろうね。柳水虎之介はどうだろう。之介は語呂が良くて是非是非いれたかった。まあ、之介さんの影響も強いだろうね。
どうしてあの人はあんなにも明るいのだろう。僕には到底持ち得ない明るさだよ。一緒にいるだけで心が温められて何かが溶けていくような、そんな気がする。才気煥発で朗々たる振る舞い、そして何より溢れ出る明るさ!同じ『一緒に居たい』でもこの人は他の人と比べて特別だ。人は自分の持っていないものに引かれ、惹かれるという。その通説通りというわけだ、癪だが。これはまさか『変』…!『恋』だなんて書くと思った?残念!僕は生憎恋だなんてシロモノ、一時の気の迷いだとか精神に現れた幻か何かだと思ってるから、そんなにホイホイ恋にドロップしたりしないのだよ。世の同年代のおなごには恋愛に夢を見ている奴らもいるみたいだけど、恋愛には夢を見られないんだよな…。お子ちゃま、なのだろうか。彼氏を作ってみれば、少しは、一片くらいはわかるのか、も。
うげ、母上殿が早く寝ろ、だと。なら、ここでおやすみなのだ!
学校は高校だけあって他校の人がなんだか怖くて仕方がないぜ…。僕の中学はこの鹿野山県で1番真面目な公立だったからな。あちらこちらをみればスカート短かくてチャリ通を疑う人もいるし、ネクタイブレスレットしてる人までいます…。うう、早く慣れてしまいたいな。不安はつのるばかりだ。
昨日は課題をしていて寝落ちしていたみたいだったよ。寝落ちする前にきちんと規則正しく寝ないといけないからね。睡眠負債が重なってからでは遅いのだから。そういえば、あのコミュニケーション力や適応力の高そうな笹野がヘタレていたねぇ。ヘタレはいつもだが、なかなか人に話しかけ辛いと言っていた。本当に意外なことよ。高校とは案外先の見えない暗い暗い、深くて恐ろしい洞窟みたいな所なのかもしらんな。まあ、気を病んでいても仕方ない、人間関係は一歩ずつゆっくり進むのが僕流だから、気長に行こう。それに中学からのかなりの仲良しも同じクラスだから心強さは笹野よりはあるのさ。笹野はコミュニケーション力の高さが裏目に出て、知り合いのいないクラスに放り込まれたのかもな。世の中って難しい事ばかりだ。
駄文ですが、最後まで読んで頂き有難うございます。
今回は日記形式ですが、今後は三人称視点や他の人視点になることも多いので、書かれていることがその通りかはわかりません。
宜しければ、次回も読んで頂けたら嬉しいです。