表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
フリーターが異世界行きになりまして  作者: 黒ヤギ
異世界に行く前でして
4/10

世界を飛び越えまして


「いいの?!じゃ、じゃあその世界について説明するね!」


金髪の顔が嬉しさからか物凄くにこにこキラキラしてる…

眩しくて目が潰れる…!


軽く光にやられた私を無視して金髪は説明を始める。

こいつ調子いいな…



「まず、世界の名前はセレスディア。大きな大陸が一つあって、東西南北にそれぞれ国がある。中央には協会があって、大体協会がある宗教はレイノア教っていうやつかな。東はエリシアって名前の、エルフとかドワーフとかの妖精族が多い緑豊かな国。西はウァーシスって名前の、人間が多い王政都市の流通の盛んな国。南はサーザリスって名前の、竜人とか獣人とかの亜人族の多い伝統芸能がある国。北はネモリアって名前の、魔族が多いお酒と温泉が名所の国。各国、種族はそれぞれに尊重し合い、それぞれに発展を目指している。とりあえずこんなところかな?」

「うん、覚えられない」



この空間内が奇妙な沈黙に包まれるけど私は悪くない。

口頭で、しかも初めて聞く地名やら国やらを一発で覚えられるか。

私の脳みそでは不可能だ。



「あー…お前は人間が多い西の国、ウァーシスに送るからそれは覚えておけ。王政で、大まかに王族、貴族、平民の位がある。他の国の名産品を流通させている商業が盛んな場所だ。」

「あー…なるほど?」


すかさず黒髪のフォローが入る。

黒髪さん流石ですわー。

王政の商売国ね、なるほど?

しかし貴族とかいるのかー…面倒くさそうだなー


黒髪と金髪が不安そうな目で見てくるが、生活してれば覚えてくるだろうから気にしないでくれ。



「うん、まあ納得してくれたんならいいけど…じゃあ送る前に浄化作用の力を渡しとくね」



金髪がそう言いながら差し出した手の上には。ラムネっぽい白い粒がありました。

…え、これ?


訝し気に見てたのが分かったのか、金髪が慌てて説明する。



「これは、浄化の力を濃縮して形を持たせた結果だからね!」



ああ、なるほど。ごめんね?

どうみてもラムネだったもので。



「これは飲み込んだらいいの?」

「そう。しかもエネルギー体だと浄化の力に周りが気づいて大変なことになる。けどこれなら周りは気づかないし、呼吸するだけで浄化が行われるんだよ!」



マジか、すげー。

ラムネとか言ってすみませんでした。

金髪がそこまでドヤ顔するのも納得の一品ですわ。



金髪の手からラムn…もとい浄化の力を受けとって飲み込む。

飲み込む時に清浄な空気とスッとする匂いがした。


これラムネじゃなくてフリスk、いや浄化の力でした。



「うん、浄化もしっかり働いてるみたいだね。これで向こうでも呼吸するだけで浄化ができるよ」


金髪のチェックも無事に済み、あとは転生されるだけらしいが…



「こちらの準備はできたぞ」



少し離れたところで何かしていた黒髪さんがこちらに戻ってきた。

黒髪さんが何かしていた方に目を向けると、そこには両開きの大きな扉が建っていた。

僅かに開いた隙間からは極彩色の光がもれていた。

え…あそこに入るの?



私の当惑は無視して、黒髪さんと金髪が扉の両隣に立って完全に扉を開く。



「それでは、僕達が管理する世界、セレスディア。朝と始まりの神を務めるレイディクト」

「俺達が管理する世界、セレスディア。夜と終わりの神を務めるノアヴァルド」


「「浄化の力を持つ魂を、この世界は、我らは歓迎しよう」」



金髪はにっこりと、黒髪さんはやんわりと笑みを浮かべながら、歓迎の言葉で私と言う存在を祝してくれる。

さて、それでは新しい世界でのんびり過ごすことにしますか。



そうして私は足を扉の中に踏み入れた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ