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新科学怪機≪ギルソード≫   作者: Tassy
3.〈新都市マリューレイズ〉と武装組織の逆襲 編
56/105

・激戦の〈マリューレイズ〉(3)


◇◇◇◇◇



〈新都市マリューレイズ〉の地下施設は、実は蜘蛛の糸のように張り巡らされた細い通路によって、全て繋がっている。



 電気、水道施設、地下廃棄物処理場、地下鉄、〈総本部〉に眠る〈国家機密の地下施設〉、街中に敷かれた石畳の地中は、秘密通路というパイプによって、あらゆる地下施設が管理され、全ての通路が〈軍〉によって監視されている。



 これぞ、世界が滅亡した『西暦の終焉』から、実に400年という歳月が経過して生み出された都市技術と言えよう。




「えぇと……? 水道の管理施設に通じる道は……ここだったよなぁ……! この地下鉄の道の……まだ先か?」




 先刻に〈総本部〉を飛び出したユウキは現在、灯りの僅かな地下鉄の線路上をひらすら歩き進んでいた。


 この都市の地下通路は、予め地図上で把握を済ませており、その目的地まで安全に辿り着くには、このルートが確実と見込んだ故の方法である。



 とはいえ単独ではない。その背後には、地上の警戒体勢から余剰となった人員が5人程、ユウキと共に行動し、闇の線路を歩いていた。




「しかし、まさかユウキ様が直々に出向かれるとは……!」

 



「そうですよ。もしテロリスト共が地下から潜入したのなら、どの道奴等は袋の鼠です。下手をすれば我々偵察の部隊だけでも……!」

 


 

 兵士達はユウキを気遣う言葉をかけているが、どこか迫り来る敵を軽視したような言葉も吐いていた。



 ユウキだって、当初はこの事態を、上層部や将校が把握しているなら心配はないと、ユウキはそう思っていたが、違っていたようだ。


 彼等が如何に事態の深刻性を受け止めていたとしても、実際は現場に立つ隊員達の認識が低ければ、統率も何もあったものではない。



 上がどれ程優秀だとしても、結局は上下に関係なく、片方の意識や協調性が欠落していては、最良の成果は導かれない。


 ユウキは改めてそれを認識し、反省する。




「あのですねぇ! 上層部から聞いてないんですかぁ?


 相手はこれまでの雑魚共じゃなくて、俺と同じ《ギルソード使い》かもしれないんですよ? 下手な戦力で向かったら、逆にこっちが害を……!」





「上から聞いてはおりますが……もても信じ難い話ですよ。


 何しろ《ギルソード》を開発・生産している国なんて、我が国以外有り得んでしょう?


他に技術が先進した国家など、今どき存在など………ユウキ様? 何か……?」





 部隊の隊長が陽気な口を回していると、いつの間にか、ユウキは彼の前方で硬直していた。



 何かを発見したのか、線路沿いの壁に隠れた、1枚の暗い扉の前に立ち尽くして、何やらその足元にスマートフォンのライトを当てている。





「どうかなさいましたか? ユウキ……様……」





 隊長はすぐさま駆け寄って、その灯りの先に目をやった瞬間……



 息を呑んで黙り込んだ。



 扉の足元には、1つの血溜まりと夥しい血痕。そして、ここで襲われでもしたのか、赤く染まった男性用軍服のボロ切れが捨てられている。





「ユウキ様……これは……!?」




「ちょっと静かにして……!」





 少々動揺する隊長と部下達をよそに、ユウキは扉の目の高さにライトを当てた。



 血で汚れているが、この通路の到達先が、薄っすらと明記されている。





[No.28、地下鉄A路線、水道管理施設、直結通路]




「……ビンゴだな!?」





 ユウキは瞬時にドアを蹴り飛ばした。元から鍵は壊されていたのか、簡単に開いてしまった。



 警戒を解くことなく、ユウキは即座に通路の先にライトを当てる。



 その瞬間、視界に現れたのは、辺り一面、真っ赤な血液が塗りだくられた、地獄に続くかのような通路であった。




 死体は見当たらないが、凄まじい血肉の悪臭が、吐き気を催す程に漂っている。




「うっ……!!」




 

 ユウキは衝撃と悪臭のあまり、思わず掌で口と鼻を覆った。



もしや肉塊まで通路の隅に落ちているのか、酷い死臭だ。



 長らく居続けていると、身体の平衡感覚から、終いには意識や生命力まで奪わる程に。

 




「こっ……これは……一体!?」





「ユウキ様……これは最悪の事態です……! 一度退いて救援を要請するのが懸命かと……!」





 隊長や背後の兵士達は動揺し、徐々に焦り冷静さを欠いてゆく。それも当然の反応だろう。



 だが兵士達はともかく、この異常事態を放置したまま後退する行為こそ、ユウキは危険だと考えていた。



 そのまま敵に時間だけを与えて、事態を悪化させるなど言語道断だ。彼の直感がそう知らせる。



 意を決して、ユウキはその足を2歩3歩と進め、通路から次の扉までの中間地点に到達した、直後……





「……声が……! これは悲鳴か……!?」




 微かだが、遠方から囁く歪な不協和音がユウキの耳に入る。



 いや、ただの音では決してない。



 まるで男性の図太い声だ。それも恐怖に怯えているのか、悶ているのか。或いは苦痛に呻いているのか。



 尋常な状況でないことは確実だ。現にこの通路さえも、それを物語っている。





「ユウキ様……ここは一旦……!」

 




 通路の入り口から、小隊長が後退を呼びかける。しかし……





「……頼みがあります! 先に後退して、この状況をキルトや上層部に報告してください! 俺はちょっと後に引けないんで、ついて来ないでくださいねぇ!!」





「はぁ……!?ユウキ様……!!」





 ユウキが兵士達に、伝言を伝え終えた次の瞬間__


 

 全速力で、彼は駆け出した。



 常人では決して敵わない瞬発力と脚力で、残り50m程の血にまみれた通路を、彼は3秒と掛らず疾走する。



 そして、即座に向こう側の扉が現れる。





「貯水施設の侵入口か……!《高速射撃の剣(ダーツ・ブレード)》!!」





 まともに扉を解錠する猶予はない。



 ユウキは自身に宿る能力武器(ギルソード)高速射撃の剣(ダーツ・ブレード)》を発動させ、目前の扉に一閃の斬撃をお見舞いする。





【………ッッ!!!!!!】





 爆音と共に、大破した扉が吹き飛ばされる。





「〈戴冠の女王軍(マリー・ルイーズ)〉だ!! 救助に駆けつけたが! 一体何…………が…………!!?」




 

 扉を斬って乗り込んだ直後、ユウキは唖然として硬直し、己の目を疑った。





「ク……クマ……?」




 貯水槽に囲まれた広間に立ち尽くしていたのは、全身の毛を赤黒い血で染められた、大きなテディベアのような縫いぐるみ。


 体長は2m程の、季節のイベントシーズンに商店街等でよく飾られる、可愛らしいマスコット。



 しかし、何がどうなっているのか、全身は人間の血で汚し、両手の先には、すでに幾人の人間を引きさあたであろう、赤黒い血肉までこびりついた鋭利な鉤爪が血を滴らせ、さらにその左手には、人間の生腕が握られていた。




 その奥で作業員の男性が1人、肉体を引き裂かれて横たわっている。


 


 当然、すでに息はない。両腕足、五臓六腑が四方八方に飛び散って、目を覆いたくなる惨たらしい光景。




「……ちょっと待て……どういうことだ!? まさかこのテディベアがその男の人をバラバラにしたとでも言うのかよ……!?」




 視界に飛び込む異常現象に、ユウキは困惑する。



 だが事態は、その猶予を与えない。異常現象は続いている。





「あ"……あ"ぅ……」




 さらに呻き声が左方向から耳に入る。そちら即座に振り向けば、今度は四足歩行の獣が、真っ赤に染めた牙で、もう1人の男性の腹を食い破っている。



 いや、獣ではない。四足歩行だが、外観は銀のメタリックな動物型アンドロイド。愛玩用の『アイボ』とでも言おう。



 あれには見覚えがある。都市内のレジャー施設で、子供達から人気を集めていた、人気のマスコットロボットだ。


 


 あのように人を殺すような代物ではない。肉を食い破る牙など装着しているはずがない。銀色の口元を人の血で染めるなど、以ての外だ。

 




「ユウキ様ァ……!」





 背後から、何故だか隊長達が駆けつける。



 先に後退してくれと、付いて来るなと伝えたはずなのに。





「馬鹿な……!! 何で追ってきたんですか!? 俺は付いて来ないでと伝えたはずですよ!? 上に報告してくれと……!!」




「ですがねぇ……!! あの状況で1人は……!」


 



 彼が反論を主張した時、すでに遅かった。



 刹那、作業員を食い殺していた銀の《人食いアイボ》が、驚異の瞬発力と跳躍力で、30m先の彼に飛び掛かって喉元に喰らいつく。




「あ"ぁ……く"っ……う"ぉあ"あ"あ"あ"………!!」





 それは高速の動作。それは荒野の砂漠で獲物を食い殺すハイエナよりも素早く、そして残忍な殺害方法。




 隊長は壮絶な断末魔を響かせながら、首元だけでなく、顔面や胸部をも《人食いアイボ》に食いちぎられ、徐々に絶叫を弱めながら、血の海を流し広げていく。





「何してくれんだ!! テメェェェ……!!」




 

 激昂したユウキは、《人食いアイボ》に劣らぬ高速の動きでその背後を捉え、《高速射撃の剣(ダーツ・ブレード)》の卓越した剣さばきで、それを縦真っ二つに両断する。



 《人食いアイボ》は瞬時に爆炎を咲かせて飛び散った。


 

 ユウキは直前で、爆炎に巻き込まれないよう、食われた隊長を抱えて、後方に飛び上がり回避する。



 その瞬間、口元に装着していたであろう、赤い血に染まった牙の破片が宙を待っていた。



 すると、それがみるみる空中で消えてゆく。それも、赤色の《ナノマシン》と化して、ひらりひらりと消滅する。



 


「……やっぱり《ギルソード》か! 妙だと思ってみれば!《ギルソード》の特殊能力で……子供(ガキ)の玩具を『殺人兵器』に改造してたってワケだ! なぁ隊長さん……!」





 ユウキはふと彼の状態を目視するが、瞬時に吐き気を催してしまい、ぐっと堪えた。



 すでに隊長は殉職していた。顔面と喉元は鍬で耕されたように肉を削がれて、砕かれた頭蓋骨と喉仏が晒されている。酷い姿だ。



 しかし、ユウキには呼吸を整える間さえ与えられない。




 先程の爆発により視界は硝煙で濁っている中、その真後ろで、すでに《鉤爪のテディベア》が血濡れた刃を構え、ユウキの背中を貫こうとする。





「……頭に乗るなよ!? このサイコパス野郎がァ!!」





 ユウキは怒りの咆哮と眼光を、《鉤爪のテディベア》へと全面に向けた。



 奴の迫り来る全ての攻撃、その先々まで予知など、ユウキには容易いことだった。



 だが、《鉤爪のテディベア》はそれを知る術などなく、ただ標的の彼を目掛けて、自らの赤い刃を前へ突き出す。




 __空振りだった。全く手応えはない。





「……邪魔だガラクタ! トロトロと踊りやがって!!」





 遅かったからだ。


 瞬足で背後に回り込んでいたユウキにとっては__



 一呼吸分遅れる頃、《テディベア》がこちらに気づいて、振り向こうとした、刹那__




 ユウキの軽快かつ瞬き程の高速な連続斬撃によって、見事にバラバラに切り裂かれる。




 __その間は僅か10秒と経たず、《テディベア》は爆炎の火花となって散っていった。





「………これは許されんことだよなぁ! 我が盟友アクバルⅡに飽き足らず、私の大事な《玩具》まで壊すというのかね!? えぇ!?」



『ア、ナ、タ、シ、ヌ、ワ、ヨ♪ シ、ヌ、ワ、ヨ♪』





 __爆炎の向こう側から、今度は紳士的な男性の声と、不気味な機械音声が聞こえてきた。



 視界が晴れて再度目を凝らせば、黒スーツの怪しげな雰囲気を醸し出す男が、ゆらりゆらりと歩いて近寄ってくる。



 年齢は30歳前後、背丈は190cm程と長身だが、かなり痩せていて顎の輪郭、背丈と足共々異様に細長い者だ。




 そして、彼の足元には、可憐なフランス人形が3体、短い足で彼の前を彷徨いている。





「何だ!? テメェがこのクソ玩具の改造生産者か!? 


 絶望的に醜悪な趣味してんなぁオイ!!


 その足元に連れてる人形は、新作のデモンストレーションか何かってかァ!?」





「ほう? 偉大なる我が兄上(プロトタイプ)、ヴィザロ=ディオロールから授かった《能力(ギルソード)》を侮辱するとは……!


 私、ヴィザロⅡ(ツヴァイ)が操る《融合造形の(コンバインモールド)施工具(トールズ)TypeReturn(タイプリターン)》は、密室での暗殺や、隠密な破壊活動には最高に適した《ギルソード》だ……!


 お前達相手では決して敵わない、ただのナイフや拳銃……それだけじゃない……


 決して人を殺すことのない日用品や子供の玩具、そこら変に落ちてる木の枝やゴミ屑さえも……!


 この能力で《ギルソード》と同等の能力を備えた『虐殺兵器』として生まれ変わらせることができる……!!


 デモンストレーションがお望みならば、この3体の人形で思い知らせてやる!! ほら野郎をぶっ殺せぇ!!」




 黒スーツの男、ヴィザロⅡの絶叫合図と共に、3体のフランス人形は一斉に奇声を上げてユウキに襲いかかる。




『『『ア、ナ、タ♪ ア、ナ、タ♪ シ、ヌ、ワ、ヨ♪』』』




 10m先のユウキへと瞬足で突進し、目前で人形達がさらに3方向へ別れようと飛び上がった刹那……




【バシュ………!!!!!】




 突如、右方向から現れた一閃の《ビーム光線》が、人形3体の頭を、まとめて貫いた。





「危ねっ……! こんな至近距離で……!!」





 寸前で嫌な予感がしたユウキが、後方へ急速に回避した直後、破壊された彼女達は、一斉に身体から放電の稲妻を発して、地に落ちると同時に火を吹いて爆散する。





「馬鹿な……!! 私の人形が……!!」


 



 ヴィザロⅡは唖然として、光線が射出された方向へ目を向けると、そこには……





「ユウキ……! お前はまた俺の話を聞かないで勝手な行動しやがって……! もう許さねえぞ! おい……!


 そういう事は……! 俺の目が届く範囲内でやりやがれ!!」





 そこには、ユウキの仲間であるキルト=グランヅェストが、自身の《分身》である銃《熱炎吸収の(バージャック・)破壊狙撃銃(バスターライフル)》を構えて立っていた。


 彼が立っているのは、2人の立つ通路と交差しているもう一方の通路で、ここへ続く別のルートを辿って現れたようだ。





「……危ねぇな! そんな至近距離で人形爆発させやがって!?

 巻き込まれるかと思ったわ……! ここ地下施設だぞ!?


 お前の《ギルソード》使えないんじゃないのか!?


 まさか海の上で見せた威力を、この施設でぶっ放すんじゃないだろうな!!」





「オイ俺の脳味噌を何だと思ってんだ……! それに、お前は知っているはずだぞ!


 俺の《熱炎吸収の(バージャック・)破壊狙撃銃(バスターライフル)》は、何も《メガ粒子砲》しか出せないわけじゃない。場に応じて威力を自在に変化させられる!


殲滅仕様の《メガ粒子砲》から狙撃仕様の《高速光線銃》まで自在になぁ……!!


てか、お前を助けて人形を破壊してやったんだぞ……! 礼の1つぐらい言ったらどうだ?」





「……そうだな! ありがとよ! まぁ別にあんな人形なんざ容易に破壊できたけどなァ!」




 戦場の前線にも関わらず、キルトとユウキが他愛のない言い合いをしていると、さらにヴィザロⅡの背後から、もう1人の男の声と、歩く足音が近づいてきた。





「ったくヴィザロⅡ……! お前の連絡が遅ぇんで出向いてみれば、何だ? ガキ共に足止め喰らいやがって……!


 だが、わざわざ妨害役が出向いているということは、やはりこの施設から〈総本部〉は繋がっていて、しかもそう遠い所ではないと見ってワケだ!


お手柄だぜ? ヴィザロⅡちゃんよぉ……!」





 ヴィザロⅡの背後から姿を現したのは、今回の襲撃騒動の主犯格であり、過激武装組織〈革新の激戦地(ヴェオグラード)〉の最高幹部である男、フランツ=ロエスレルだった。



 黄金色のサングラス、黒いスーツの下に纏う青紫柄のシャツ、針山のように逆立ちしたブロンズヘアー、まるで闇社会に目立とうと目論むチンピラの風格。ギャングもしくはマフィア崩れのような格好のそれ。



 無論、ユウキ達はこの男との面識などなく、ましてや組織の最高幹部という事実も一切知らない。





「あァ!? 何だあの落ちぶれたチンピラ崩れみてぇな奴? この悪趣味な玩具(おもちゃ)屋の腰巾着か!?」





 ユウキが見た目通りの直感で暴言を吐くも、ロエスレルは逆上せずに、歪な微笑を絶やさない。





「ほう? こんな所に第1討伐対象がいやがった♪ ディズレーリから話を聞いてるぜ? コイツは俺達の組織にとって確実に弊害になる。ヴィザロⅡ、確実に殺しておけよ!?」





「ディズレーリ……? あの中東で会った全身トライバル女か!? まさかコイツ……〈革新の激戦地(ヴェオグラード)〉の幹部じゃねぇよなぁ……?」





「何……? トライバル女? お前は何か知っているのか……?」




 

 当時の現場にいなかったために、話がピンとこなかったキルトだが、ユウキは中東地方の荒野で、傷ついたリリーナと、女兵士の少女を助けている。



 その時、彼女達を今にも殺そうとしていた者こそ、全身にトライバル柄の刺青少女にして〈革新の激戦地(ヴェオグラード)〉最高幹部、グレーネス=ディズレーリだった。



そしてロエスレルは、復讐者(アヴェンジャー)の如き怒りと殺意を顕にして、ユウキを激しく睨みつけてこう告げる。





「……覚悟しとけよ? このイキったクソガキが!! 先のシチリア諸島とダマスカス近郊で、盛大に俺達の大仕事を邪魔してくれやがって……!!


 おかげで我が組織は甚大な損害を出したじゃねぇか!!


 部下達も数名殺されてるしなァ……! 最高幹部として、落とし前をつける責任は、果たさせてもらうぜ!?」





 

 殺意と排除の意思に満ち満ちた狩人の表情、そんなロエスレルにユウキは、全く怖気づくことはない。


 そして彼もまた、変わり果てた狂戦士の如き目つきで、静かにこう言った。





「覚悟しとけよ? このイキったクソガキが……! だと!?

 それはこっちの台詞だ!! クソ舐めやがって!!


 その首はちゃんと洗えてんのかァ……!?


 俺達の本陣〈戴冠の女王軍(マリー・ルイーズ)総本部〉に乗り込んだことを……じっくりと身体で後悔させてやるぜ……!!」







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