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新科学怪機≪ギルソード≫   作者: Tassy
4.盲目少女と忠犬の絆 編
102/104

・『翡翠の園』と少女達の覚悟(3)




 ◇◇◇




「分かる……分かるよ、セイバー!


 お前が見ている景色、感じてる空気、その感覚全てが私の肌を通して、脳に伝わってくる……!」




 自室のベッドに腰掛ける全盲の少女、シェリー=ヘレンズケラーは、彼女の能力の分身(ギルソード)、《深層読解の(サイコメトリア・)共鳴体器具(ライフハーネス)》を両手に携えては、全神経と意識を自身の能力に注いでいた。

 


 《共鳴体器具(ライフハーネス)》を形成するシェリーの《ナノマシン》、それが彼女の意思と力を具現化させるように__



 淡藤色(ライラック)の光と熱を帯びて、少女の全身を覆い包み込む。





「私の目が見えなくても、その感覚と感情はセイバーと共有ができる__!


 さぁセイバー、お前の全てを教えて! そして力を貸して! みんなを助けてあげて__!」





 シェリーの決意が力に変わって、彼女の《ナノマシン・オーラ》はエネルギーを増大させていく__




 ◇◇◇




【ゥウワァォオオォゥゥ___!!!】




 地上45階、スカイデッキの屋上で__


 純白の忠犬セイバーは、主人シェリーの意思に答えるように、猛々しい遠吠えを空まで響かせた。




 すると、次の瞬間__


 セイバーの目元が《ナノマシン》で覆われ、そこにはバイザー型の『3Dディスプレイ』が現れる。



 その形状、その姿は『索敵兵』のそれ__



 盲目の主人シェリーに代わって、自らが彼女の目となり、まずは虱潰しに見通し、見破る。


 そして、自身と主人を繋ぐ《深層読解の(サイコメトリア・)共鳴体器具(ライフハーネス)》の感覚共有を通して、少女に全てを伝えようという__


 その覚悟と魂胆が、その姿となって現れている。




「いいねぇセイバー! 頼もしい騎士様だね〜♪

アンタ達だけの秘密の言葉で、教えてやって!」


 

 横にいるラフィアスはご機嫌な笑顔で、右耳に着けたインカムから聞こえるのを待っている。


 忠犬の主人、その少女の声を__





『ラフィアス、聞こえてる? 私、シェリーだよ!

 

 全箇所分かってる! セイバーが教えてくれたの!!

 敵の人達の隠れた場所! 私が誘導するから!!』




「オッケー♪ よーく聞こえてるよシェリー!

 アンタ達の力、遠慮なく借りちゃうからね?

 

 次はどっち? 虱潰(しらみつぶ)しに全部撃ってやるからさ!」


 


 ラフィアスは右耳のインカム越しに、戦意と高揚に満ちた返事を送った__



 彼女の右腕、その形状は人間のそれではない。


 まるで取って替えたように、その部位は大型の《高熱原キャノン砲》へと、造形変化を遂げていた。



 腕部の正体は、隻腕のラフィアスが所有・装着する右腕の《義手型ギルソード:武神創生の(ゼウスメイクス・)武装機械手(ハザードアーマー)》__


 軍事用に開発された義手型の粒子兵器であり、人型の機械義肢から、今は軍船級サイズの《キャノン砲》へと、彼女の意思で自在に変形させている。



 すでに《砲口》からは、凄まじい熱粒子エネルギーが蓄積され、今にも溢れ出ようとして収まらない。



 瞬時に、シェリーが合図を掛ける__




『いるっ! ラフィアスから見て左側! 目の前の商業ビルの30階から40階の位置!!


 20人くらい? 大人数で隠れてるみたい__!!』





「了解! まだ敵側に目立った動きは無いねぇ!

 統率が乱れて混乱してるか〜? だったら好都合!


 我が正義の鉄槌を喰らいな___!!」


 


 冷徹な目をしたラフィアスは、攻撃に躊躇ない。



 右腕のキャノン砲と化した《武装機械手ハザードアーマー》の照準を定めるや否や、凄まじい威力の高熱原体と衝撃波の嵐、それを己が砲口から解き放つ__




【……ッ!! ………ッ!!!】




 轟音と共に高層ビルは爆炎の炎に塗られ、そこには巨大な空洞が刻まれた。




 ◇◇◇




「__第1強襲部隊! 状況を報告しろ! そっちで大規模な爆炎が確認された! 攻撃されたのか!?」




 別方角の廃墟ビルに潜伏する敵機動隊の兵士が、無線の通信機に必死に呼びかける。



 爆炎を咲かせ、黒い硝煙が立ち上る商業ビル中階層は、この距離から目と鼻の先だが、肉眼で見る限り、同志達の無事姿どころか、人影すら見当たらない。




「__クソッ!! 今の奇襲で全滅したな! 一体何が起きてる!? こちらの陣形や動きが読まれたか!?」




 この通信兵を含め、当建物に配置された13人が配置されているが、いずれも唐突なる攻撃に対して状況の把握が追いつかなかったが__


 次なる指示は、即座に部隊の指揮官から下される。




「狼狽えるな! これしきの事態__!!


 簡易型とはいえ、何の為に我々が《ギルソード》を託されていると思ってる!!


 さっさと砲撃位置を特定し! 迎撃を………っ!!」




 遅かった。指揮官の男が命令するや否や__


 無数かつ大口径なる《銃弾》の嵐が猛威を振るい、外壁と屋内一帯を瞬く間に破壊する。





「うぉあァアアアァァ………!! 何だっ!? 何が起きてる……!? 何故我々の作戦がぁ……!!」


 


 銃弾の嵐が止んだ最後、生き残った通信兵は伏せた姿勢のまま、目の前の惨状に震え上がっていた。

  

 硝煙に包まれた一帯は、外壁は疎か、フロアの床面さえ削ぎ落され、高層ビルに開けられた、巨大な空洞と化されていた。




 ◇◇◇

 



「__3箇所目も掃除完了。悪いけど時間との戦いなのよ! このやり方は……!


 身体の弱いシェリーに負担をかけないうちに、コイツ達を全員討伐してやる!!」


 


 張り詰めるラフィアスの右腕、《武神創生の(ゼウスメイクス・)武装機械手(ハザードアーマー)》の武装形態は、すでに《キャノン砲》のそれではない。


 __いつの間にやら、対戦車用の《ガトリング砲》に武装が変換されていた。



 彼女の《武装機械手(ハザードアーマー)》は、装備や形状が1種類だけに限定されてはいない。


 状況に応じて、装備種類に《変換》が可能__


 それが少女ラフィアスに与えられた《ギルソード》の、特殊能力である。

 この戦場において、彼女はそれを使いこなす。




「次は!? セイバー! 位置を見出して私達に……!」



【ウァオォウン!!】



「……何っ!?」




  ラフィアスに言われるまでもなく、忠犬セイバーは警告を促すように一声吠える。


 何を思って吠えたのか、即座に主人が伝達する。





『ラフィアス逃げて!! 左側から狙われる!!』



「チッ! 気づかれたか!?」




 指示通りの方向を向いた瞬間、目に止まったのは、向かい側の高層駐車場から銃口を突きつける敵機動隊の集団__


 武器の形状は、過去に製造されたM249型マシンガンやM20バズーカ等を象るが、確実に《別物》。


 既存の武装では見るはずのない形態・部品__


 彼等の装備には、全てがそれで生成されていた。



 十数人でその身を固めては、殺意剥き出しに大口径の銃口砲口をこちらへ撃とうとしている。




 ♢♢♢



「敵砲撃手の居場所を特定! 福祉施設の屋上にいる、あの少女と思わしき人物が1人!!

 それと大型犬が1匹、何らかの索敵武装あり!!」




 その高層駐車場41階にて__


 攻撃部隊はマシンガン、バズーカ砲を標的の少女に構えながら、攻撃指示を促す。




「クソガキ共がァ!舐めた真似しやがってェ__!


 計画を狂わせた報いだァ! 連中に照準を合わせ!!

 我等の《簡易ギルソード》で粉砕しろォ!!」



「「「はっ!!」」」




 部隊長の命令と同時に、

 無数の銃声と砲撃音が空間を轟かす___





 ◇◇◇




【___ゥルルルル!!】




 __睨み、唸るセイバーの視線の先には、その遠くから大量の銃口砲口が向けられていた。


 その真正面にセイバーは晒されている。




(クソッ……! 砲撃が直撃する!? 施設への被害は出させない!! もう盾になるしか……!?)




 ラフィアスは敵兵の存在に気づくや否や、即座に砲撃は開始された__


 無数の《ビーム砲》及び《メガ粒子砲》の雨嵐が注ぎ、彼女を標的に、建物共々破壊しようとする。




『セイバー!! ダメだよ!! 逃げて__!!』



「シェリー安心して!! 私がついてるから__!!」




 親友シェリーの悲痛の叫びに答えるように__


 ラフィアスは、セイバーの矢面に立ち塞がった。



 咄嗟に彼女は、右腕の《武神創生の(ゼウスメイクス・)武装機械手(ハザードアーマー)》を盾にするが如く、その腕部で顔の前と胸元を覆い被せる。




「アンタ達を守るのは!! この私だァ__!!」




 誓いの叫びが、辺り一帯に轟いた刹那__


 少女の機械仕掛けな《右腕》から、銅色の《高熱原体ナノマシン》が大量放出され、『膜』を生成する。



 それは、【オーロラ】のような光のカーテン___


 その艶やかで幻影的なそれは、襲い掛かる『銃弾』や《ビーム砲》から、少女と傍の忠犬を包み隠す。



 一瞬の直後__



 爆炎がテラスの屋上テラスに咲き乱れ、灰の硝煙だけが、福祉施設のビル上階から立ち昇っていた__





 ♢♢♢

 



「どうだァ!? この集中砲火で生きちゃあいねェ!


 始末できていれば、『熱源探知レーダー』からは、反応が消えているはずだ! 確信してみろ!!」





 全身を特殊武装で覆う敵部隊の隊長は、絶対的な勝利を確信してか、大層得意げに部下へ命令する。


 朗報が返るのを当然と思ってたのだろう__


 期待の返答は、即座にその予想と思惑を裏切った。




「……同士隊長! 『熱源レーダー』に反応あり!

 焼け跡の火ではなく……かなりの高音で……!


 恐らくは……あの標的(ターゲット)の生体反応と推測されたし!!


 砲撃の硝煙で姿は確認できないが……! 

 もしや……! 奴が生きている可能性が……!?」




 (………っ!? ………っ!??)




 隊長の男は一瞬、部下が一体何を言っているのか、理解できなかった。


 目を凝らして、目視で確認しようものの、砲撃の硝煙で視界が晴れることはない。




「馬鹿を言えっ! あれだけの砲撃の雨を浴びせたんだぞ! 生きてるどころか骨も残っては……!?


 そ……装置の誤反応だろ……!?

 燃えカスか何かと……間違えたのか……!?」

 



 混乱した隊長が、小型レーダー探知機を部下から取り上げて、中を覗き込んだ__



 視界は硝煙の灰色一色だが、画面内のレーダー探知を表すカーソルは、確かに光って反応を示している。



 妙な状況であった。レーダーのカーソルは広範囲に当たって、数千ケルビンという高音を示している。


 焼け跡や炎の熱ではない、それよりも高い__



 何が起きているのか理解できず、

 この状況は、テロ部隊を更なる焦燥に陥れた。



「クソッ……何だこれはっ!? まだ視界は晴れんのか!? ……何だってんだ……!?」




 ♢♢♢




 福祉支援施設〈翡翠の園〉28階、シェリーの部屋。



(この音……爆発音!? ラフィアスは……!? )


 唐突の振動と、曇ったような爆発音に、シェリーは独りでに動揺を見せた。



 だが、少なくともセイバーの安否なら感じられる。

 

 互いを繋ぐ《共鳴体器具(ライフハーネス)》によって、視力を除く感覚は共有されているのだから__



「セイバー? よかった……無事だね! ラフィアスは……大丈夫なの?


 ……そう、分かった。


 彼女のことをお願い! そのために、お前が全身で感じている光景、その全てを私に教えて……!」



 暗い部屋に独り、シェリーは祈るように、両手で《共鳴体器具(ライフハーネス)》を力強く握った。



 思いの強さと彼女の集中力が強くなるにつれ、その身体は淡藤色ライラックの光が身体を包んで、



《ナノマシン・オーラ》は、輝きを増していく__




 ♢♢♢

 


「なっ! 言っただろ!? この施設『翡翠の園』を守護するのは! このラフィアスなんだってさっ!」



 ニヤリと誇らしく微笑むラフィアス__


 右腕は《ガトリング砲》の形態から、すでに通常の《義手》へと形態を戻している。


 たくましくガッツポーズを見せる右腕の《武装機械手(ハザードアーマー)》からは、忠犬セイバー共々、高熱粒子で生成された結界のような大膜が張られ、彼女等を守っていた。



 楕円形で巨大な、艶やかに煌めく深紅のオーロラ、


 高熱原体粒子で生成される《盾の膜》__



 これにより、建物の周辺に銃弾や罅ははるものの、少女達の立つ周辺は、全くの無傷だった。




「__新型の《ギルソード》の『新機能』が1つ! 高熱源粒子で生成した防御壁!


 《形態モード:ビーム・シールド》って奴よ!


 ここ2年前後に開発された『多機能型の《ギルソード》』には順次実装済み! ……だから、

レヴェリー先生達の技術の恩恵ってヤツだな__!」



 誇らしげにラフィアスは微笑むと、その煌びやかな光の盾、《ビーム・シールド》を一旦解除する。



 オーロラのような盾の膜が消えた瞬間、彼女達の視界に映るのは、硝煙が消えない灰色の景観__


 ラフィアスにとって、これは絶好の機会だった。




「よし今だ!! まだこの灰煙が蔓延してる間が、この戦局を切り開くチャンス!!


 私の視覚じゃ、目の前の状況が全く見えないけど!

 アンタ達の感覚なら、もう連中の居所とか方角とか、掴めてるんでしょ!?


 ねぇシェリー!? セイバー___!!」




『うん!セイバーが教えてくれてる! 匂いで方向も分かってるって!

 その灰煙の真正面、敵も様子を見てるかもだけど、誰も一歩も動いていない!!』



「オッケー! それが分かれば__!」



 ラフィアスはそう言うと、右手の《武神創生の(ゼウスメイクス・)武装機械手(ハザードアーマー)》を敵の方へと手を伸ばす。


 

 その形態は、武装系ではなく通常の《義手》__


 しかし、その機械仕掛けの指先には、僅か3mmていどの、小さな風穴が空いていた。


 奥で熱を発して、何かを射出しようとしている。



 

「どうせ近距離、《キャノン砲》までは必要ない!

 もう()()だ! これで終わらせてやる__!!


 この《形態モード:5連装ビーム・マシンガン》で!!」




 睨むラフィアスの一言と同時に__


 指先の銃口から熱と火を吹いて、大火力と粒子弾の集中砲火を炸裂させる。




「「グゥゥ……オオァ……アァァ!!」」


「「ガァッッ!! ウゥ……オァアァァ………!!」」

 



 灰煙から響き渡るは、男達による無数の断末魔__

 所々と視界に飛び交うは、血飛沫の噴水__




 地獄の騒音がしばらく轟いた後、突如として目の前の灰煙から、爆煙の業火が辺りを覆った。



 廃ビルの老朽化した電気配線か天然ガスの配管に、ラフィアスの放つ《ビーム弾》が直撃したのだろう。




 対峙する男達がいたであろう潜伏先は、

 あの爆煙の中心部__


 爆煙の炎に消えていったと、確実に断定できる。





「__終わったよ! よく頑張ったねぇシェリー!」



『……………………』



「……………シェリー?」




 何も返事がない。

 右耳のインカムからは、音の1つも聞こえない。



 __この時、ラフィアスの脳裏を過ったのは、自身こそが考え得る、最悪の戯曲シナリオだった。




「嘘でしょ……? シェリー……ねぇセイバー!!

 ラフィアスの返事が聞こえない!? アンタはあの子のこと、何か感じ取って……!!」



【……………ヒィン……】




 ラフィアスが右横へ振り向いた際、

 忠犬セイバーは疲労困憊で体力が弱っていた。



 少女の傍にいた時とは打って変わり、窶れたような目つきと顔色で、床に伏せようとする。




「セイバー……! まだだ……!」




 崩れるように身体を置く寸前で、ラフィアスは忠犬の胴に装着された誘導器具ハーネスを掴んだ。





「ごめんセイバー……疲れ切っててるの分かってる!

 でもアンタの主人が危険なんだよ……!


 アンタ達のアシストで危機を脱せた。それが負担をかけることは分かってた……!


 セイバー、本当にごめん……


 アンタがそんなに消耗してるんだから……身体の弱ってるシェリーは……明らかに……」




 ラフィアスはそう言って、奥底に罪悪感に苛まれながら、その誘導器具ハーネスから手を放せず、



 __そして、動けずにいた。





 ♢♢♢



 軍設立の福祉支援施設『翡翠の園』__


 その周辺は今、灰煙が戦闘後の狼煙のように立ち昇って、火薬の匂いが蔓延していた。




 その様子を約5km離れた高層ビルの屋上から、密かに観測していた1人の青年がいる。


 全身に纏う漆黒のスーツ服。

 黒と朱色、妖しく色彩の分かれた髪色と両目。


 何故だか微笑を絶やさず、スーツのポケットに手を突っ込んだまま__


 青年、カルヴァン=グラックスは、ただ遠くに望む硝煙の塔を冷静に見届けていた。




「〈新聖地創造戦線〉ねぇ、先陣切って特攻してもらったけど、清々しい程の惨敗ぶりだよ__!


 別に特殊な事態でも何でもない。

 所詮は普通の人間風情だ、《ギルソード使い》の軍学生程度でも相手にならないだろうね__!


 __とはいえ、この島国の開発技術には驚きだよ。


 例の少女と補助犬だけじゃない。

 被検体サンプルにしたい《ギルソード使い》がそこら中にいる。


 さて、あの鬱陶しい〈創造戦線〉の劣等種達を煽てて、良い気分にさせるのはもう終わりだ。

 利用し尽くし戦力を削減、後に配下へ収めるだけ。

 

 __あくまで我々の第1目的はユウキとリリーナとかいう子供2人を抹殺だ。後はついででいい。


 どんな厄介者かな? 実証が楽しみだ。フフッ!」




 長く独り言を淡々と呟きながら__


 カルヴァンは立ち昇る硝煙が灰の雲に変わる過程を、しばらく見つめていた。

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