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リアル2の2


 それもある日の俺の日常だった。しかし、


「うるせえ……」


 それは子どもたちのキャッキャッ! とは似て非なるものなのだ。

 寝る時に、ニャーオ、ニャーオ! ブハクシャ! pgあはjdt! って猫さんの騒がしい喧嘩上等が聞こえてきて全然眠れやしない。


 勘弁してくれよ……。

 今、六時だぜ、六時。陽はとっくに登り切った六時。山頂から日の出を見ようと思ったら、思わぬトラブルに巻き込まれて、すっかり見られなくなった朝の六時。始発が始まって三十分後ぐらいの六時。


 別に昼過ぎに起きようが、夕方の再放送に起きようが一向に構わないのではあるが、さすがにカーテンを開ける必要のなくなった時間に起きるっていうのは、友達の私物を隠して予想以上にパニクってる姿に種明かしのタイミングを完全に逸してしまった的な、監督のいない部活で一日中練習をせずに遊んでいました的な、後ろめたさや情けなさが付きまとってくるわけで、やはりまだお天道さまが残っている時間にはせめて起床したいのである。

 だから、


「うるせーぞ! キャャットが!」


 と心の中で叫ぶのだけれど、当然ながら頭の中で大音量サラウンド俺ボイスが響き渡るだけで、何も解決しないことに変わりはなかった。



 てなわけで、それもやはりある日の俺の日常だったのだが、


「おめえの方が、うるせーんだよ! 小汚ねえ、NEET野郎が!」


「はあ? 待てNEETと引きこもりは違うと言うことを述べておこう。第一、NEETだとしても俺はNEATだっ! 小奇麗だ!」

「一緒だろーが、ボケッ!」

「何か語っちゃってるんですけど、キモーイ!」

 HAHAHAHA!(横に手を広げる的な?)


 クソ! 隣のアホ大学生めがっ。サークル連中で男女入り乱れて、何を乱れているのやら。父さんそんな子に育てた覚えはないよ!

 今度、一人の時絶対、壁ドン! してビビらせてやるからな。有言実行してやるからな? いいか、待ってろよ!


 てな感じ? まあ、実際は、


「うるせーぞ!」


 なんて窓の外に罵声を浴びせれば、それはそれは上記のような大迷惑になるわけで、やるわけも、やる勇気も俺にはないので結果、外に向かって空き缶を投げるぐらいしかできないのである。


 kbmitwっかさわ!(人間共め、余計な横槍をいれおって!)hgadmgua7!(この罪は猫カン一つ分に値する!)


 わかった、わかった。今度買ってきてやるよ。買ってきて、猫に餌やってるのバレて管理人さんに注意されてやるよ。


 バタンと布団に倒れ込みながら俺は思う。

 引きこもりなのに、不眠症とかマジ勘弁……。ああ、引っ越そうかなあ……。快適な引きこもりライフを満喫するためにさ……。


 終了。


 眠れない朝、子どもたちの登校を耳にしつつ、俺は眠りに落ちた。


 二番目のメモリーを選択→ロード(二頭身ぐらいのミニキャラが隊列を組んでウロウロしてやんの……)

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