第二章⑨
「おかしいなって思ったの、ハルちゃんはもっちぃが私をモデルにしたいって言ったのに、もっちぃがそんなことを言うから変なのって思ったの、」リリコは腕を組んで横に揺れながら言った。「あれぇ? なんでぇ? って考えていたら、私は気付いたね、あ、もっちぃはツンデレさんなんだって」
「ツンデレかなぁ?」ミドリは首を傾ける。
「それから、どうなったんですか?」ユウカは二人の馴れ初めを聞きながら楽しくなっていた。
「ドレスを来たよ、蒼いドレスだった、サイズはピッタリだった、いや、少し胸は緩かったかな、だから、緩いよぉって、もっちぃに言ったの、そしたら、もっちぃ突然後ろから抱き締めてきて、胸をギュッとされて、耳元で『好き』って言われて」
「きゃあ!」ユウカは思わず歓声を漏らしてしまう。「キスをしたんですね?」
「まだ早いでしょ」ミドリが言う。
「それで?」
「いやぁ、ビックリして、叫んじゃって、」リリコはペンペンと額を触る。「いろんな人が部室に来たね、ミドリも来たよね、アリス先輩と一緒に」
「ああ、そうだったね、」ミドリは笑う。「あの時は、何が起こったのかと思ったよ」
「それから、それから? キスはいつなんですか?」
「まあ、それから、んふぅ、」リリコの顔のニヤニヤは止まらない。「いろいろ会って、錦景祭の夜、二人きりになったとき、言われたの、その後だったね、キスは」
「なんて言われたんですか?」ユウカは早口で聞く。
「それはね」
リリコは人差し指を立てた。
その時。
「駄目っ」
被服部の扉が開いて、モチコトが姿を見せた。「それは絶対に言っちゃ駄目っ!」




