光るナイフ
その日の帰り道でのことだった。
僕は一人で帰ることにした。
今までおこってきた沢山の謎を整理したかったからだ。
高層ビルに挟まれた細い道を早歩きで歩いていた。
ビルがそびえ立ち、木や自然はほとんどない。
地面は学校くらいでしか見ないものだった。
川はあっても舗装がされているし、木も花壇のようなコンクリートの中にある。
ちゃんと土に生えているのがわかるのは学校くらいだ。
学校だけが自然の楽園なのだ。
ビルとビルの間の衝撃吸収通路は気持ちが良いものではない。
薄暗く人がいないから、恐ろしい。
この道を行けば家まで近道だから仕方なくいつもこの道を使っている。
普段と同じように歩いていると、ビルの透明なガラス窓が太陽の光を反射してか、キラリと光り、とっさに目をつむった。
「カシャン」
光を見た直後背後で何かが落ちた音がした。
振り返り落ちたものに気付くと衝撃が全身を駆け巡った。
ビルからこんなものが?
まさか…
間違って窓から落としたのか…
いや、待てよ。
僕が歩いていて、ちょうど落ちてきた?
しかも、あの窓から落とすとすると作為的に考えて落としたはずだ。
窓際でこんなものを使うだろうか…
それはどこからどう見ても、ナイフだった。
綺麗に磨き上げられいて、不気味に光る。
どう見ても使っていたものには見えない。
使っていたならもっと汚れているはずだ。
「不幸な現実と戦う人が増えるのか…」
美麗の言葉が再び頭の中で鮮やかによみがえる
ねらわれているのか?
僕は…
誰かが自分を殺そうとしている。
そんなことを考えてしてしまう。
美麗の名前を聞くと、顔色を変える人もいる。
美麗の名前を言うとまずいのか?
僕は落ちているナイフを拾うと家までこれまでにないような速さで走り続けた。
走らずにはいられなかった。
ここまでの恐怖を体感したのはこれが始めてだ。
家に帰り着くとすぐ美麗にコールする。
もう待てない。
知らなければならない。
今、僕の周りでおこっていることを。
何かある…
僕は今それを知らなければいけないんだ…
着信音の音と同じくらい大きな自分の鼓動が鳴り響く。
美麗がコールに気づくのを僕は息をととのえながら待った。
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