久しぶりの対面
月見勇士は僕を見返してきたが、何も言わなかった。
そして、何を考えたのか、ふいに笑った。
それは苦笑という感じだった。
長い沈黙に耐えかねたようだった。
美麗が僕達を交互に見てから、沈黙を断ち切る。
「こちら、月見勇士さん…」
他に何かを言おうとしているように見えたが、結局何も言わなかった。
「会ったの、4年ぶりだもんな。他己紹介が出来ないのも当たり前だ。」
そう言うと、僕達に名刺を差し出した。
そこには、9上の情報収拾係と記されていた。
「大分ランクが上がりましたね。あの時は係もなかったですよね。」
「ああ、ここまで上がるのは大変だったけどな。」
呟くように言った。
9上でそんなに大変ということは、9下の美麗も大変だったのだろう。
そのことを全く自慢せずに普通にしているのは本当に優れた人だからだろうか…
「私がまだTTOに入ったばかりで何も出来ない時に気遣っていただいて、とてもありがたかった。訓練で戦い方なども一から教えていただきましたね。一年弱お世話になりました。いきなりTTOの北西支部に行かれて、挨拶も出来なくて申し訳ありませんでした。」
「いまさら、もういいさ。そういえば…」
何かを思い出し多様な表情になる。
美麗を遠慮がちに見ると、少しためらいがちに次の言葉を言った。