表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/51

組合長との初対面

 青井良彦さんの年齢は30代半ばくらいだろう。

 短い髪は、綺麗に整えられて清潔感がある。


 しばらく観察していると、いきなり美麗が深々とおじぎをした。

 僕も慌てて頭を下げる。


「君が松原強か。花園がTTOに人を連れてくるのは初めてだから、どんな人か気になっていた。」


 そう言うと、こちらの方に椅子を向ける。


「君は確か松原杉子の子供だったな。」

「はい。母がいつもお世話になっております。」


 数日前に美麗に叩き込まれた礼儀作法通りに答えた。


 青井さんは、一瞬驚いた顔をした。


「やっぱり子は親に似るものだな。礼儀正しさは同じだな。」


 関心したような言い方だった。

 実際は親の影響ではないことは確かだが、あえて黙っておいた。


「組合長。松原強に名刺を次の会議までに作っていただけますか。」

「分かった。会議で紹介もしないといけないしな。」

「お願い致します。もう一つ、これは私の勝手で申し訳ないのですが、松原杉子さんには松原強が来たことは言わないでください。」

「…分かった。」


 少し困っているような曖昧な返事だ。

 組合長自体、対処に困るということか…


「お願いしますね。それでは、失礼致します。」


 美麗は強く念を押すと軽くお辞儀をし、すぐに出て行こうと歩き出した。


「そうだ。言い忘れていた。」


 組合長の一言で僕達は向き直った。


月見つきみ 勇士ゆうしが一昨日戻って来た。今、情報収集係の部屋にいるはずだ。」

「わかりました。ありがとうございます。」


 美麗は複雑な表情でそう言うと、早歩きで部屋から出た。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ