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いざ中へ
中に入ると扉は閉まり、それと同時に電気がついた。
階段を降りた先には白い扉が見える。
圧倒されていると、それは音もなく左右に開いた。
中に入ると扉は閉まり、狭い部屋に閉じ込められた。
「ナマエトランク、バンゴウ。アレバカカリヲイッテクダサイ」
電子音が反響し、不思議な感覚がする。
脳に直接音がきているような感じだ。
「花園美麗、9下、1397835、対策係。もう一人は松原強。始めて連れてきた。私の紹介。」
相手が機械だからだろう、美麗は素っ気なく言った。
「カクニンシテイマス…」
しばらく静かになった。
狭い閉鎖された空間はやはり落ち着かない。
「ツギニシキベツカードヲカクニンシマス。」
上にある機械が美麗の方を向く。
光線が出ていて識別カードというものを読み取っているのだろう。
人間の目から見えない光線だからちゃんと動いてるのか少し不安になる。
「ニュウシツヲキョカシマス。ソレデハナカニオハイリクダサイ。」
前の扉がゆっくりと開く。
その先には長い廊下が続いていた。