触れられたくない過去
「もう一つ聞くけど、なんでTTOに入る時に一人暮らしにしたんだ。別に親といても…」
「やめて。質問ばかりしないで。過去の話なんて、もう…」
突然言葉を切り、気まずそうに下を向いた。
「ごめん。」
美麗は静かに呟いた。
自分が感情的になったことに驚いているようだ。
「僕こそ悪かった。ごめんな。悪気はなかったんだ。美麗のことを考えずに言ってしまったな。」
僕の台詞には答えず、無言でパスタを食べ始めた。
「過去に触れて欲しくはないのだと薄々気付いていた。でも、美麗のことを知りたかった。何も自分から語ってはくれないじゃないか。いつも僕に心を開こうとはしないだろ。僕は美麗に助けてもらってる。でも、僕は君を助けたことはない。だから、少しでも心の支えになれたらと思ったんだ。」
「ありがとう。」
小さな声で言うとチラリとこちらを見てきた。
「美麗、凄いんだってな。TTOの中でも。」
「いいえ。私は、ただ力をつけようとしているだけ。いつか、必ず強くなる。」
言葉をしっかりと噛み締めるように言った。
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