日常に潜む危険
その日は、美麗にメッセージについて言いたいことはあったが、話しにくい雰囲気があったので、あえて喋らなかった。
その日、いきなりクラスの担任の先生から話があった。
今までの信じられない事に比べれば、現実的な話だ。
来週にテストをするようだ。
初等科の復習らしい。
勉強なんて、ろくにしてこなかった自分からすると困る話だ。
何を勉強すればいいのかさっぱりわからない。
まぁ、この話で一つだけ良かったのは再来週じゃないことだ。
もし再来週だったら、また美麗からの謎だらけの話できっと勉強どこではないに違いない。
自分より前に座っていた龍が軽くこちらを振り向くと大袈裟に肩をすくめている。
僕も負けないくらい肩をすくめてみせる。
龍は笑いを噛み殺したような表情をすると、前に向き直った。
それにしても、呑気なものだ。
僕は大変な目にあうかもしれないのに…
脳裏に一瞬嫌な妄想が浮かんだ。
一週間後に僕が今と同じ様にこの椅子に座っているという保証はない。
下手したら、一週間後にはこの世界に存在しない可能性がある。
それはどれくらいの割り合いなのだろうか。
僕はそんな考えを打ち消すように、強く頭を振った。