警戒
「楽しいことはないって…何か不幸なことでも?」
空になったマグカップを見ながら言った。
「人が入れた飲み物を何の警戒もなく飲むんだ…」
美麗は僕のマグカップにコーヒーを入れながら小さくそうつぶやく。
「えっ?警戒なんて普通しないだろ」
「人のこと信じられるんだ…人間の恐ろしさを知らない人は呑気ね…」
人に対して嫌味を言っているようにも聞こえる。
「恐ろしさ?」
「そう。楽しいことはないとさっき言ったけど、私達TTOは狙われている、だから楽しい訳ない。」
「なんで狙われているんだ?」
「例えば、あなたの未来を勝手に変える人がいて、あなた嬉しい?」
「嫌だよ…」
「だから、狙われてるみたい。自分達の未来を変える人は邪魔何でしょうね…」
自分のことなのに、冷静に言っている。
「美麗が特に狙われてるわけ?」
「まぁね。」
「なぜだ?君もみんなと一緒だろ?君が特別狙われる理由なんて…何かあるのか?」
「知らない。」
美麗の感情が抜け落ちたような声が部屋に響きわたる。
嘘だ。
きっと知っている。
言いたくないのか…
そんなことを考えていると美麗はポケットから紙を取り出すと僕の前に静かに置いた。
メモ帳以外で紙を使っているとなると、いったいなんだろう。
紙を裏返すとそこには文字が書いてある。
それは、美麗の名刺だった。
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