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第六話 初デート(6)

 そして時間は流れ、金曜日の夜。

 お風呂から出た俺は、タオルで髪を拭いていた。


「お風呂浸かりすぎたか。頭がぼーっとする」


 なんか体が寒い気がするし、頭も重い。


「まあ出てきたばかりのせいか」


 これもまたお風呂に浸かりすぎたせいだと、思って別に気にしなかった。

 タオルを洗濯かごに投げ込んだ。部屋に戻ってゲームやるためにパソコンの電源を入れた。頭は相変わらず重かったが、ゲームをしているときっとよくなるだろう。そう思って画面がつくのを待ちながらスマホをいじった。そんな中、急に通知が来た。


「純恋か」


 こんな時間に俺に連絡する人は文芸部の奴らだけだった。

 俺は純恋のメッセージを既読にした。


『明日水族館行くの覚えてるよね?楽しみ((* ॑꒳ ॑* ))。二時までだから、あまり夜遅くゲームしないでね』


 俺は『わかった』と返信を送った。その間、パソコンの画面がついた。そろそろゲームを始めようと思ってキーボードに手を置いた。

 ゲームを初めてから三十分過ぎたんだろうかーー


「ううぅもう無理だ。死にそう」


 ーーなぜか体がだるくてゲームを続けられなかった。目はくるくる回るし、なんか頭が熱いし、頭がぼーっとしてゲームに全然集中できなかった。我慢してやろうとしても体がそれを許してくれなかった。これじゃゲームをしない方がマシだった。


「今日はここまでにしよう」


 これ以上続きはできないと思ってパソコンの電源を切った。そしてベッドに仰向けになった。明日純恋との約束があるから病気になってはいけなかった。


「寝ればよくなるだろう。寝れば」


 そう思いながら俺はそのまま目を瞑った。



 そして翌日。俺は目を覚ました。


「うう、死にそう」


 なんか体がすごく重かった。ちょっと動いただけで、体のあっちこっちが筋肉痛みたいに痛かった。しかも頭はぼーっとして熱がありそうだった。


「ちっとも動けない」


 体のあっちこっちが痛くて起き上がることすらできなかった。


「今日純恋と水族館の約束あるのに」


 こんなんじゃ行けないかも。とりあえず熱を測ってみよう。もしないならすぐ良くなるはずだから。


 そう思って熱を測ろうとしたが、よりによって体温計は居間にあった。


 困った。今家に母さんと父さんいないのに。


 母さんは友達と旅行で昨日から留守にしてるし、父さんは仕事。妹が一人いるんだけど、今家にいるかどうかわからない。でも今はあいつしかいないから、一旦呼んでみることにした。


「おおい、こ・・・はる、お前家に、いる、か」


 喋ると喉が痛くて大声が出てこなかった。こんな小声じゃ居間どころか、この部屋の中にいても聞こえないはずだった。それで俺はメッセージで呼ぼうと思ってスマホを持った。


『おまえ今家にいるか』


『いや、外』

『いきなりなに』


 予想と違って意外と五分内に返信が来た。

 家にいないのか。マジで役に立たないやつだ。


「仕方なく俺が直接取りに行くしか」


 俺はスマホを枕の横に置いた。そしてぞくぞく震えながら身を起こした。


「寒っ」


 なぜかいつもより部屋が寒い気がした。俺は布団にくるまった。寒いのは変わらなかったが、少しマシだった。

 俺は一歩一歩壁に頼りながらやっと歩を進め、部屋を出た。居間は静かだった。布団を床に引きずりながらテレビの横の棚と引き出しの中を探してみた。だが、どこでも体温計は見つからなかった。


「ぜぇぜぇ・・・一体どこにあるんだろう。体温計」


 体がだるいせいか、ちょっと動くだけで息が荒くなってきた。


「少し休もう」


 俺はソファに足を運び倒れるように腰をかけた。

 視界が霞んだ。瞼が重かった頭が朦朧とした。運動もしてなかったのに筋肉痛がひどかった。

 ひとまず体温より時間を先に確認しようと思って掛け時計に目を向けた。


「もう一時半・・・」


 二時まで会う約束だったのに。これじゃ出発すらできなかった。


「一旦純恋に連絡をしないと」


 俺はベッドに戻ろうとした。しかしあまりにも体がだるかった。ソファから立ち上がる力がなかった。


「早く連絡を」


 俺は力を振り絞って立ち上がった。足を動かして部屋へ入ろうとしたが、同時に意識が朦朧とした。急に体に力が抜け突然床がすぐ目の前に迫っていた。


「えっ」


 そのまま俺は床に倒れ込んで意識が薄くなってきた。


 それからどれくらい時間が経ったんだろうか。おでこの冷たさで俺は目を覚ました。


「ここは・・・」


 見慣れた天井。慣れ親しんだ部屋の造り。俺の部屋だった。


「なんで俺が部屋に」


 さっきまで確か居間にいたのに。目を覚ましたのは俺の部屋のベッドの上だった。


「夢だった・・・?」


 なんか意識が朦朧としてたけど・・・。いや、でも夢というにはあまりにもリアルだったが。


「っつか今何時だ」


 純恋に今日行けないんだって早く言わないと。

 俺は枕の横を手探りしてスマホを探そうとした。その瞬間、突然部屋のドアが開いた。


 今家には誰もいないはずなのに、一体誰が。


「あ、起きた。夏梅体調はどう?」

「す・・・・・・みれ? どうして君がここに」


 俺の部屋に入ってきたのは他でもない純恋だった。


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