戦う ~渡辺 進vs桐島 剛~ ③
作者「自分でも忘れそうなんですけど、進がご主人様の所に行くのは、彼がいる城の近くにある製鉄所から鉄を回収し、それを長谷川に届け、武器とかを《創作スキル》で作ってもらう為です。それまで進は《コオリアームブレイド》を主体として戦います。ちなみにこの技の初登場は『試す』です。技とかがほぼドラg」
【渡辺 進】
「……剛?」
「お前、その女性を……しかも首を斬ってる……?」
「……渡辺さん?」
久々(5日ぶり)の再会だったけど、あまりにも思わぬ形だった。
僕のアームブレイドにはアオイの血が付いており、床にポタポタと落ちていく。
というか……なんで大西まで一緒にいるの?大西は圭を殺した剛が憎くないの?
それに、後ろにいる男は誰?
そう思っていると、その知らない男が僕の……隣死にある死体へと駆け寄った。
「お、おい、まさか……貴様……」
その死体に目を見開き、涙を零し、呆然と立ち尽くしている。
「……貴様ああああぁぁぁ!!」
「……え? ゑゑゑ!?」
突然の出来事だった。僕に向かって炎魔法を使ってきた。
……あっつ!?
「お、おい、昇!?どうした急に!?」
男……ショウの猛攻が止まらない。
一度怯んで動けなくなった僕に、何度も炎魔法を撃ってくる。
これが剛から貰ったのなら、彼も無詠唱で使えるようになってるってことか……
「あ……あ……あっつ……!」
「貴様、貴様、貴様ああ! よくも葵を! 俺の……妹を!!」
え……?妹……ショウが、アオイの兄?
「はぁ、はぁ、はぁ……」
ショウの猛攻が止まった。
僕は死ぬ事はなかったが、全身真っ黒こげになった。これはギャグの力で助かったんだろう。
「……死んで、いない?」
僕の生存を確認したショウは、再び僕に襲い掛かろうとしたけど……
「やめろ、昇!」
剛が止めてくれた。
「黙れ!俺の妹を殺したこの男は、必ず死を持って償わなければならない!命は重い。人間も、鳥も!だから、意味なく人を殺す人間を、俺は……!」
「昇!お前の、えー……妹は洗脳されていた!洗脳を解くには、殺すか、”ご主人様”を倒すしかない!俺は見たんだ……ある少年の友達が洗脳されている様を……」
「……は?」
僕も剛も何が何だか分からなくなったので、全員で情報を整理した。
・レイド対象である92番は”ご主人様”と呼ばれる人であり、その人がこのバトルロワイアルにいる全ての女性を洗脳していること。
・洗脳された女性が死ねば、洗脳が解かれるのは確定していること。
・葵という人物について知っていること。
そして……ショウが僕を襲った理由。
「俺は割橋 昇。卵料理を愛し、その料理を世界に響かせる鳥となる男だ。そして、割橋 葵は俺の妹だ。葵は交通事故でアイドルになる夢を挫折し、せめて鏡に見えた妄想の自分は、この世界……いや、異世界でも響くアイドルでいたいと小説を書いていた。俺は……今まで何度も葵に助けられてきた。だから葵は俺が守り、退院したらまた夢へ飛び立たせる事を誓った。最悪なことに、異世界に呼び出されたのは退院して数日経った時だった。俺は葵と二人で生き残ろうとした。だが、まさかお前に殺されたなんてな……!」
ショウの右手が強く握られ、血が滲み出ていた。
「……ごめん。謝って済む話じゃない。だけど、これは言わせて。妹はまだ死んでない。脱落の通知が来なかったから。あと残機が1残ってる。」
「だからといって……貴様は……!」
「昇、お前は進を許してやってくれ。妹は洗脳されていた。……俺達でまた葵を探せばいいんだ。」
「……次葵に手出ししたら、お前を廃棄処分する。」
「う、うん。」
これは……許してくれたってことなのかな……?
「……進。昇は許しても、俺はまだ許せない。俺とお前でした約束……俺が勝つことで、お前を許せるし、俺の軸でレイドを攻略する……!」
「ちょっと待って……僕、戦った直後なんだけど……」
「……じゃあ少し休んでからにするか。」
「……進だったか?お前は……葵を探すのに協力するか?」
「……出来る限りなら。」
……僕が生き残る為には、君らのどっちかを殺さなきゃいけないけどね。
「……分かった。お前、卵料理は好きか?」
「え?卵かけご飯とか……かな?」
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「昼食を食べたことだし、そろそろするか。(俺は腹が減らないからあんまり体は変わらないけど)」
「剛がこの戦いを求めたんだから、ちゃんとルールはあるんだよね?」
「あぁ。殺しは基本ナシ。もし殺してしまったら負けとして、絶対に相手を探すこと。戦闘不能か降参で勝敗を決める。いいな?」
「……殺すのはできない。だって、倒そうとしたってあの謎パワーで生きてるでしょ?」
圭が剛に攻撃して腹を貫いた時、激しい光と共に生存が確認できたけど、あれは何だったんだろうか。
「あれは……まあ、な。お前だって、俺が体を切断した時生きてただろ……」
「じゃあ、思いっきりやっても問題ないよね?」
「あぁ、お前の俺に対する怒り、全部ぶつけてこい。俺もそうする。」
(サーッ)
強い風の音と共に、僕と剛は戦う体勢に入った。
剛はアイテムボックスから剣を取り出す。
僕は……
「神よ、氷で私の腕を武器と化して下さい! 《コオリアームブレイド》!」
「っ!?」
進の技。能力で差があるが、この技がその差を埋める……!?
しかし、右腕全体で振る氷の剣には致命的な弱点が……!?
そして……勝敗は次回で決まる!
次回『戦う ~渡辺 進vs桐島 剛~ ④』
つづく!




