戦う ~渡辺 進side④~
作者「カードゲームは、互いの考えによって行われていくので、両者の思考を書ける“三人称視点”を使用しています。もしかしたら読みにくいかもしれませんね。この視点を書く度に、改良を進めていくつもりです。」
【三人称視点】
渡辺 進「……決闘!」
ミスターY「開幕!」
全く違う掛け声と共に、2人のゲームが始まる。
2人は最初のカード3枚を引いた。
進は仮面の下で少し口角が上がり、ミスターYは少し顔をしかめる。
Y「このまま公平に始めるのも良いけど、僕はギリギリのゲームをしたいんだよね。だからハンデとして、最初のターンは出撃しないであげる!」
進(ハンデ……そういえばここにくる前、清水が言ってた気がしたけど、こういうことね……ありがた。)
Y「あと、そこの台に引き出しがあるでしょ?そこにさっきのルールブックと同じのがあるから!」
進は引き出しからルールブックを取り出し、確認した上で質問した。
進「そういえばルールブックには先攻後攻の決め方が書かれてなかったけどどうすんの?」
Y「あー……じゃあ僕がコインを投げるから、表なら僕、裏なら君が先攻ね!」
進(こういう時ってどっちがコイン投げるかとか決めないんだ……)
ミスターYは自分のコインを投げる。
コイン《裏》
Y「裏かー、じゃあ君からだね!」
先攻になった進は無言でカードを引こうとしたが、Yに止められた。
Y「ちょちょちょ、無言で引かないで、ちゃんと宣言してね!しないと失格にするよ?」
進(え、だる。)
進「僕の先攻、ドロー。」
少し恥ずかしそうに、進は視線を落とす。勇気の仮面がなければ、恐らく宣言できなかっただろう。
進「僕は“自称最強勇者”ズークをタンク、“純粋エルフ”エーシィをアタッカー、“有名プリチー配信者”ユミランをサポーターとして編成。」
進は手札から3枚のカードを順番に置いた。
その瞬間、カードの絵と同じ姿をしたキャラクター達が、ホログラムとして映し出された。
進(すっご、これが異世界の技術……!)
Y(ユミラン……1ターンに1回のサポートスキルでコインを2枚投げて、どっちも表なら宝札カードを引ける……後半の事を考えて、いち早く道具カードを集める気かな?)
進「この編成したチームを1マス進める。そしてユミランのサポートスキル《景品ゲットチャンス!》を発動。コインを2回投げて、どっちも表なら道具カードを1枚ドローする。」
進の台に2枚のコインが出され、進はコインを投げた。
進(表表表表……!)
コイン《表 ・ 裏》
Y「残念。」
進「……ターンエンド。」
Y「じゃあ僕のターン! 要請!」
進(めっちゃ独特な宣言してる……クセ強。)
Y(あ、宝札カードだ。 ハンデは与えたとはいえ……道具カードを沢山引かれたら、かなり劣勢になるよね……)
Y「僕は“擬人化スライム”ラミンと“剣士見習い”マークをそれぞれサポーターとアタッカーに編成!
そして更に……手札から道具カード《掘り出し電動ドリル》を使わせてもらうね! このカードは使った3ターン後に道具カードを1枚引ける!」
進(ダンジョンモンスターは決して1ターンで倒せるわけじゃないから、やっぱり道具カードを1枚でも多く、早く所持しとくのがいいのかなこれは。)
Y「ハンデとして、今回は出撃しないから……これでターンを終了するね!」
進(3人でないとギルドセンターから出撃出来ないけど……何考えてるんだろ。)
~2ターン目~
進:手札1枚(その内 ???1枚)
ミスターY:1枚(その内 所属者カード1枚)、ドリル後2ターン
進「僕のターン、ドロー。 1マス進む。」
進はダンジョンの出入口にカードを進めた。
今回の進側のダンジョンモンスターは……《剣ゾンビ》。
HP50の普通のモンスターだが、こいつに倒された所属者はゾンビとなり、ダンジョンモンスターが1体増えることになる。
Y(そっちはゾンビ……増えたゾンビを倒しても宝札カードを引けるから、向こうに取って好都合だ……)
進「エーシィのアタックスキル《エレキボール》で、剣ゾンビに攻撃。威力は30……!」
エーシィのホログラムが、剣ゾンビを攻撃した。
立体感あるど迫力な演出に、進は思わず見入った。
進「……え、すっご。」
Y「でしょー!?そういってもらったの初めてだから嬉しいなー。」
進「そしてサポートスキル、《景品ゲットチャンス!》」
コイン《表 ・ 表》
進(よしよしよしよしっ!)
進「どっちも表、これによって、道具カードを1枚ドロー。 ターンエンド。」
Y「じゃあ僕のターン、要請! そして、ラミンのサポートスキル《擬人化分裂》発動! チームが2人以下の時、山札から“スライム分裂体”ラミン(分裂)をタンクとして編成!」
進(さっき2人しか編成しなかったのはこの為なんだ。)
Y(戦術が空よりずっと良い……ハンデ分は取り戻して……序盤は圧倒しないと。)
Y「チームを出撃!……ターン終了!」
~3ターン目~
進:手札3枚(その内 ???2枚 宝札カード1枚)
ミスターY(その内 ???1枚 所属者カード1枚)ドリル後1ターン
このターン、剣ゾンビが進側の、エーシィ率いるチームに襲いかかった。
威力30の攻撃が、タンクであるズークに襲いかかる。
進「この瞬間、ズークのガードスキル発動……《味方という名の盾》!」
ダンジョンモンスターが攻撃する瞬間、進は割り込むように宣言した。
進「このスキルで、ズークとユニランの陣営を入れ換える。そしてユニランは剣ゾンビの元の攻撃力の2倍……60のダメージを受ける!」
Y(ズーク……スキルが全てクズ行動な悪キャラで、ネタで使えるお遊びキャラとして作ったんだけど、何で入れてるんだろう?)
ユニランのHPは60。剣ゾンビの攻撃によって、ユニランは倒れる。
進「倒れる前に、ユニランのガードスキル発動、《視聴者の助け》!これにより、僕はデッキからカードを1枚ドロー!」
Y(もしかして、ユニランのサポートスキルとガードスキルを、早く回すために……!?)
ユニランは倒れ、進側と戦う剣ゾンビが1体増えた。
増えたゾンビは、能力が同じだが、増えたターンには攻撃してこない。
進「そして僕のターン、ドロー! 手札から、“砦を守護するバイト”ドフをタンク、“不死鳥使い”ファンコル&カツイをアタッカーとして、2チーム目を編成! そして手札から道具カード《転勤許可願》を発動!2人編成のチームが自分の陣営にいる時、別のチームから1人、所属者をチームに移動させることが出来る。これによって……ズークを後ろのチームに移動!」
この宝札カードによって、ズークがドフのチームのサポーターになった。
Y(これでエーシィが単独状態、もう1チーム編成できる……)
しかし、進には狙いがあった。
ただ単独状態にするだけじゃない、また別の狙いが。
Y「……それだけじゃない!」
進「そう、知ってるでしょ?エーシィは特別な所属者。サポートスキルがない代わりに、特別なスキルがあることを。」
Y「凄い……このゲーム初めてなのに、そんな!?」
進(今回運良くて……本当についてるわ。)
進「エーシィの“エボリューションスキル”発動、《闇堕ち》!3人編成で始まったチームの他2人が、非正規な手順でいなくなった場合に発動できるスキル。通常のエーシィのカードは捨て、デッキから“完全なる闇堕ち”シャドウエーシィを同じ場所に登場させる!」
ホログラムが闇に沈み……新たな姿として、闇に堕ちたエーシィが映っていた。
シャドウエーシィを使役し、ゲームを有利に進めていく進。しかし相手は制作者のミスターY。この状況、覆されるのか!?
一方で……毒島のスキルを使った麻生により、3人はピンチに!一体どうなってしまうのか!?
次回『戦う ~桐島 剛side⑤~』
つづく!




