組む①
作者「『動く』の桐島パートの続きからです。」
【桐島 剛】
「俺には……どうしても生き返らせて、謝りたい人がいるんだ。」
俺には……救えなかった友人がいる。
……昔、俺はその友人をいじめていた。
単純に、クラスがあいつをいじめていたから、俺もいじめていた。
だけどある日、先生にこっぴどく叱られた。
俺がいじめていた理由は”みんながいじめてるから”だった。でも、いじめられていた理由を知った。
その理由が、理不尽で、酷くて……俺はもうあいつをいじめないと心に誓った。
だが、クラスの奴らは違った……先生がいない間を狙って、あいつをいじめていた。
先生に言いつければいいんじゃないかとは思ったが、あいつは引き気味な性格で、自分から先生に報告できなかった。
そこで……俺は庇った。頭の中で、何か正義感が湧いたんだろう。
その結果、俺までいじめの対象にされた。……あいつの気持ちがやっと分かった気がした。
俺はその出来事を境に、強くなることに決めた。
空手、剣道、サッカー……色々やった。
俺が強くなったことで、俺もあいつもいじめの対象から外れた。
俺は晴れてあいつと友人になった。
カラオケに行ったり、中学に一緒に入った後は卓球をしてみたり……楽しかった。
だけど……
「お前さ、あ、あいつと友達なんだろ?」
いじめは……終わってなかった。
俺の知らない間に……陰でのいじめがあった。
その主犯格は……中学で新しく友達になった奴。
「なんであんな奴と友達なんだよ! なんで!」
「お、落ち着け。俺は知らない……」
「落ち着けるかよ! お前だけは僕を守ってくれる友達だって信じてたのに! うわああぁぁ!」
そういってあいつは……走って道路を飛び出した。
(キキ―――――ッ ドガッ!!)
俺はもう、あいつに謝れない。
俺が、何も知らなかったから……俺が、あんな奴と友達だったから!
……7年後。
俺はこの異世界に召喚された。新しい力を手に入れた。
だけど、主催者の言った事に……期待と怒りが浮かんだ。
このバトルロワイヤルに勝てば、あいつを生き返らせれるかもしれない。
だけど、そのやり方は残酷だ。
俺は主催者を殺したい。そう思った。だけど、あいつも生き返らせたい……
主催者を殺すと、生き返らないかもしれない。
俺は……今悩んでいる。
「……とにかく俺は、お前に協力はできない。」
「だったら、ここであなたを……いや、今の私じゃあなたに勝てない。 ……提案があるんだけど、私たちが協力して生き残り、最後に私たちが戦う。これで良いよね?」
「あ……あ……」
「何?」
「俺は……もう戦いたくない……!」
俺のせいで、彼女は怒っている。それが、あの時の友人と重なって見える。
もう、俺のせいで人を悲しませたくない……!
「……何言ってんの? あなたはもう人殺しから逃れられないよ?」
「……くっ!」
「でも、あなたはそれを胸の奥にしまわなきゃいけない。戦わなくちゃいけない。戦って、生き残って、罪を償う。それが、あなたのすべき事。死んだら、全部パーになるから。」
……そうだ。
反省は、生きてる時しかできない。
……俺は、もう迷わない。
戦う。生き残る。……生き返らせる。
それが、俺のすべき事なら。
「分かった。 ……一旦俺達の拠点に行かないか?みんなには俺が説明つける。」
「……いいの?」
「あぁ、俺達はもう仲間だ。 改めて、俺は桐島 剛。 俺の小説は……」
「分かってる、私には《鑑定》スキルがあるから。 私は大西 奈珠波。」
「あ、あぁ……」
俺は奈珠波を連れて、拠点に戻った。
拠点にいたのは……毒島だけだ。
みんなまだ帰ってきてないのか?
「あ、桐島さん! おかえ……なっ!? お前は!?」
「あ、そうだった……」
「ちょっと桐島さん! なんであの時の、俺を殺したあいつの仲間を連れてきてるんですか!?」
言い合いが始まりそうな時、ゴソゴソと物音がした。
「やああぁぁ!」
森の奥から剣を持った女性が、毒島を斬りかかろうとしていた……!
「風真! 危ない!」
桐島と奈珠波。最後は戦い合う事を条件とした仲間となった!
そんなことも束の間、1人の洗脳された女性が毒島に襲い掛かる!
だけど、こん時はまだ4日目。毒島が死んだのが確認されたのは6日目に入った時のはずだが……?
次回『組む②』
つづく!




