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作者「Q.性自認が女の場合、『ご主人様』とか言われてる奴に洗脳されますか?
A.基本は洗脳されますが、自分は本当は男だとしっかり認めてるなら洗脳はされません。」
【渡辺 進】
……大西の事は、一旦長谷川の件が片付いた後で良い。
そう思った理由はしっかりある。
まず、あんなボロボロになった後なら、恐らく1回死んでいると見て良いと思う。
あの2人は生け捕りを試みてたけど……
ちょっとした抵抗を抑える攻撃でも、すぐに死んでしまうぐらいボロボロだった。
そんでもって、死んだ後はランダムな場所で復活する。
1回死んだら、多分身の安全を隠すのが最優先だから一旦隠れるのが最適解だ。
それも多分大西は分かっている。
誰かに狙われた場合……いや、それは考えなくていい。
大西は剛とかよりは弱いけど、そこそこ戦えると思ってる。
次に、剛がもつ"ある特性"に関係しているんだけど……
剛は『異世界に転生した俺は王道展開で行きたい』の作者であり、その作品の主人公は”基本王道展開で話が進むように神に願っている”らしい。
それも神が承諾し、無自覚にも王道展開のように進んでいく……って言ってた。
まぁ、本人の意思である程度は”王道展開”をキャンセルできるみたいだけど。
もし王道を征くのだとしたら、”一度戦った敵と再会する”というのも王道展開のひとつ。
僕が大西を放置していた場合、剛と再会する……多分。
剛や一緒に動く毒島たちは、大西の事は憎んでいない。
毒島は圭を憎み、剛は裏切り者で仲間殺しの僕を憎んでいる。
けど、戦いがあまり好きではない剛は、特に戦う理由もなく大西と話し合い、協力するようになる
……はず。
まぁそういう理由もあるけど……やっぱり本音は……
「自分を嫌ってる人を助ける義理なんてないしさ。それに、目的が一緒だから協力してるだけで、どっちかが生き残れば良いんだ……」
「は、はぇー……人の心ちゃんとあるんか?」
「そう言われるのも仕方ないね……それより今はちゃんと作戦を立てよう。 ……ほっ!」
しばらく筋肉痛で動けなかったが、今は立ち上がって歩けるぐらいには回復した。
「ま、まぁそうだな。”異世界ネットシステム”もあと8時間で立ち上がるからね。」
「じゃぁまずどうす……」
「こんなところに人がいるなんてねぇ」
「……あっ!?」
僕らが作戦を立てようとしたその時、天井からおじさんがこちらを見ていた。
そういえば……僕が昨日ここに落ちてきてから、天井を直してなかった。
氷魔法で防げるかな?
「ほっ! 悪くおもんなよね! 私はご主人様に”参加者を見つけ次第殺せ”って言われてるからぁ」
……ご主人様!?
な、なんで!?
もしさっき戦ったアオイって人の話が本当なら、洗脳されてるのは女性だけのはず!?
もしかして、”ご主人様”とされてる参加者が2人いる?
……いや違う。 あの目は……
「はぁぁ!」
向こうが短剣を持って襲ってくる。
……詠唱を唱えてる暇はなかった。
こうなったら……
なんで男なのに操られてるのか、こうやって試す!
ドゴッ!
(チーン♪)
「ぐふぅ!」
………しっかり効いている。
つまり、少なくとも体つきは男だ。
「い、痛そ……」
長谷川が若干引いている。
「なんでわざわざ〇的なところを殴んのよ! 私は体は男だけど、女の子の心を持って生まれたの! だから私は変わり者扱いされて、クラスに避けられて……これだから男は……!」
え、えぇ………
ち〇こを殴ったら、唐突に自分語りをし始めた。
とにかく、なんで操られてるのかは分かった。性自認が女だからだ。
「良い? 女性を殴る男は人間じゃないの! 特に性に関係するとこは尚更! それは女性はエ〇いから触りたくなるから触ってもいいっていう女性蔑視!? 酷いねぇ!」
……僕も長谷川もドン引きしている。
勝手に勘違いされてなんか説教されてんだけど。
そもそもお前おと…………
「一旦貸してくれ」
突然、長谷川が僕の勇気の仮面を外し、自分の顔に取り付けた。
「え、え、え?」
あいつはさっき僕が殴ったことで、持っていた短剣を落としていた。
その短剣を長谷川が拾い……
グシュ!
「うごはぁっ!」
グシュ! ジュル! グシュ! ジュル! グシュ!
あいつの体を何度も刺し……
最終的には首を斬りつけた。
刺されて痛がっているようなあいつの目は、徐々に光を失っていった。
「はぁっ、はぁ………くさ……ゴホッゴホッ」
(参加者を殺しました。これにより、あなたは失格から免れます。)
……そっか。こいつが襲ってきたのは、長谷川にとって失格を免れるチャンスか。
「ゴホッ 死体って、想像してたより……グロいな。」
死体からすごい悪臭が漂う。
これは……処理しなきゃ。
「神よ、氷で完全に凍らせて下さい! 《コオリフリーズ》!」
僕は死体を氷魔法でほぼ完全に凍結させ……
「神よ、侵入を防ぐ天井を作って下さい! 《コオリウォール》!」
僕が来たことで壊れた天井部分を氷で覆った。
「はぁ、はぁ……なあ、なんで氷の力隠してた? その能力は……?」
「……凄い過呼吸だね。」
「当たり前だろ……初めて人を殺したんだからさぁ……心に来るものがある。」
僕は、剛から貰った氷魔法を含め、バトロワについて知ってる事をほぼ全て話した。
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……あれから8時間経った。
長谷川はこの部屋にあるトイレを何度も使っていたが、何とか落ち着いていた。
そろそろ……
「お! ついに”異世界ネットシステム”にアクセスできる!」
ゲージがMAXになり、一旦暗くなるが……
そこにはパソコンのような画面が開かれていた。
「………………は?」
……早速操作を始めた長谷川が、困惑していた。
「な、なんで、だ……? 機能が一部制限されてる……!?」
【桐島 剛】
……足が動かねぇ。
進に裏切られて……初めて人殺しを犯して1日が経った……
俺達は2人ずつに分かれて、進が殺した"健太"、"壮真"、”唯斗”を探している。
あの場を去った後、回復のポーションにより傷は治ったが……
「だ、大丈夫ですか?」
……筋肉痛だ。
回復のポーションは、筋肉痛や頭痛といった内部的な痛みは治せない。
だが、俺は動く。
1人になった仲間を見過ごす訳には……
「……なっ!? お前は……あの時の!」
進が殺してしまった3人を探す桐島。
そこで彼が出会った人物とは……まぁ察しはついてるでしょう!!
次回『動く』
つづく!




