立てる
作者「作戦会議とか計画立てとかって結構重要ですよね」
【渡辺 進】
「バトロワの報酬って、“現実世界の賞金”と“その人が今一番欲しいもの”のはずだけど、なんで生き残ったらその友達が生き返るって思ってんの? “その人が今一番欲しいもの”って書いてあって、それで人を生き返らせてくれるとは考えにくいんだけど……」
僕はその言葉を聞いて、思わずはっとした。
圭は……もう生き返れない……?
……いや、よくよく考えれば人が生き返れると思ってた自分と大西がおかしい。
生き返すのができると思ったのは、このバトロワにある要素の1つ、"残機"が関係していると思う。
以前毒島から、残機1で生き返った時の話を聞いた。
圭に殺された後、貫通していた胴体は完全に元通りになっていて、痛みもなかった
……らしい。
恐らく主催者側は、人の肉体を完璧に再生できる能力やら技やらあるんだろう。
それを根拠に、”その人が今一番欲しいもの”という報酬で”完璧に生き返った圭が欲しい”と言えば、圭が生き返ると……勝手に思い込んでいたんだろう。
「いや、それはまぁ、何かみんな命1つ増えてるし、そういうことできるなら、け……友達も生き返らせることもできるんじゃないかと思ってさ……」
「それは……まぁ考えりゃそう考えれるけどさ。……話変えるけど、あの主催者の男が生き残った奴に対して、素直に報酬渡すと思う? こんなゲームをさせてるのも、何か目的があると思うけど。」
確かに……
でも……生き返らせてくれると……信じたい……
「……まぁ、その事は後で考えよう。それよりだ、僕に協力してくれないか?」
そう長谷川は僕に問いかける。
「バトロワが始まって3日が経った。今もう4日目。以前主催者の男が言ってた”バトルロワイヤルが始まって5日以内に誰かを殺さなかった場合、失格になる”が本当だとするなら、まだ誰も殺してない僕は失格になってしまう。どうか協力してくれ……どうか!」
あ、そうか……
戦いの末に意識を失ってる間に、1日経ったのか……
このままじゃ長谷川は失格だ。
ここは協力する場面……だけど……
「遠慮するよ……まだ信用してないし、僕が助けるメリットなんかないし。」
「え……そ、そこを何とか……! あ、そうだ! 協力してくれたら、異世界ネットシステムを自由に使っていいぞ。 ……それとさ、僕は今お前にこの部屋を”使わせてやってる”側なんだけど。それを礼に協力しようとかないのか?」
……まぁ確かに。
それに、異世界ネットシステム……気になる。
……でも、協力した後潔く使わせてくれるかな?
今協力してあげるのが、部屋を使わせてくれた礼にはなる……
なるんだろうけど、僕は協力してもしなくても、長谷川には命が懸かってる以上、今は僕が交渉の優位に立っている。
……僕は先にメリットを要求することにした。
「僕が協力しなかったら君は死ぬけど、そんな態度でいいの? それにまだ信用できないから、前金みたいなの頂戴。 それから、ここがどこなのか僕まだハッキリしてないから、ここがどこなのかちゃんと話して。」
「あ、あぁ…………分かったよ。ここは”ダンジョンの隠し部屋”だ。俺はバトロワが始まった後このダンジョンに飛ばされたんだが、壁にもたれかかった途端、その壁が回転してな。そこに通路があって、更に進んだら、4桁のパスワードを入れないと入れない扉があったんだが、近くにこんなのが貼ってあった。」
そういって長谷川は1枚の紙を僕に見せる。
『にひゃくじゅうにてんにかけるごははてな』
これは……暗号?
「……あ!」
これは、"212.2×5は?"だ!
答えは……
「……1061!」
「……あぁそうだ。そうして1061と入力したら、ここと繋がってて。」
へぇー…………………ん?
待って、何で異世界に掛け算ていう概念があんの?
それに、異世界なのに何故か日本語だし……
この異世界……なんか変……
「そこでずっと隠れてたんだけど、天井からお前が落ちてきてさぁ……」
なるほど……そういうことかぁ……
「で、前金だが……ちょっと待っててくれ。」
そういって長谷川は奥の部屋にいった。
しばらくして……
…………え?
「ブフォォォォw」
僕は彼の姿に思わず吹いてしまった。
それは……
「今の僕の髪の毛は、こうすれば……ほら、”防弾チョッキ”になる。」
……いやどういうことだよw
長谷川が……ハゲになってるw
あと完全なハゲではなく地味に毛が数本残ってるのが僕を笑わせに来ているw
てか……髪の毛で防弾チョッキって…w
その《創作スキル》どうなってんだよw
「まぁ……1発は耐えるだろうし……俺にはこれしか前金にできるものがない。」
いや他にもあるだろ、パソコンとか……w
……人の容姿を嘲笑うのは良くないか。
………………………ふぅ。
「ま、まぁ、協力してもらう為の、その必死さは伝わってきたし、協力しようかな。」
まだ若干疑ってるけど……まあいいや。
「とりあえず、僕は今筋肉痛で動けないから、動けるようになった後どうするかの"作戦"を立てよう。」
「おっそうだな。 ……そういえばさっき、仲間と一緒に戦ってたとか言ってたが、仲間を探さなくていいのか? 僕に協力してくれるんだし、それくらい協力するさ。」
………………………………………………。
「ん? どうした?」
「………いや、彼女は……大西 奈珠波のことは、後ででいい。」
「……………は?」
”奈珠波のことは後ででいい”とほざく進。
その発言の裏には、”とある2つの期待”があって……?
次回『開く』
つづく!




