落ち着く
作者「こう書いてみたら圭が結構タフな感じに書いてますね」
【赤根 圭】
俺は、麻痺で動けない大西を背負い、必死で元いた場所へと走っていた。
考えてみれば大西って、鑑定スキルが持ち味の小説なのになんでこんなに魔法使えるんだ?
…そんなことを考えている場合じゃない!
ヒーリングで多少の回復はしたとはいれ、ドラゴンとの戦いからずっと溜まり続けている疲れが消えていない。もとから遅くなっている足は、更に遅くなっていった。
このままじゃ追いつかれる!
「せ、先・・・輩・・・私に、ポーションを・・・」
そうか、町の病院で手に入れた、状態異常を治すポーションがあった。
これで大西の麻痺を………
ズドオオオオオ! ビュウウウン!
耳をつんざくような音が聞こえる。
あの男だ。スピードを強化するバフをかけているのか青い光を発しており、一瞬で姿が見えた。
光で大きく怯ませたのに、もうここまで追いついたのか、速すぎる!
「くっ・・・!どうすれば・・・!」
正面から戦っても、勝てないと思う。
どうすれば…?
……そうだ!
「うああくそ!どこに消えたんだ!」
俺は通路にある壁の岩壁を砕き、穴を空け新たな通路をこじ開け、そこに隠れた。
攻撃力1000倍の力ですぐに穴を空け、息を殺した。
この通路は狭く、暗い。光っていなければ、至近距離に来ないと気づけない。
それに、あの男はバフをかけているときに効果音のような音を鳴らしていた。その音が壁が壊れる音を遮ってくれたのだろう。
あの男は諦めたのか、Uターンして戻っていくのが見えた。
俺たちは3つの分かれ道の所まで戻ることが出来た。
ひとまず、一旦落ち着くことができる。
回復のポーションで疲労を回復した後、大西に状態異常を治すポーションを飲んでもらった。
大西は麻痺していた体が治り、ゆっくりと動き出した。
「先輩!ありがとうございます!」
ギュッ
「・・・ふぇ?」
うわ、あ、え!?大西!?
急に抱き着かれた。
置いていかず、一緒に背負って逃げてくれたことが相当嬉しかったのだろう。
…だが、そんな時間は長く続かないことは分かっていた。
俺たちが来た道とは別の通路から大柄の男が姿を現した。
「ん?誰だお前ら?」
同じように魔法使いの人が後ろにいて、あの男と同じように財宝やポーションを持っていた。
嫌な予感がする。さっきの男たちの仲間?
俺は咄嗟に構えた。
だが、男は片手を上げて言った。
「あぁおいおい、俺はお前たちと戦う気はねぇよ。俺は桐島 剛。あの道から来たってことは、風真たちと会ったのか。」
フウマ………?
…さっきの男の名前か。
「まあいい。ちょっと話そうぜ。」
戦う気はないようだが、油断はできない。
俺は襲ってきたときに、いつでも反撃できるような姿勢で話し始めた。
俺は名前こそ隠したが、“はぐれた友達を探している”とだけ告げた。
この男…キリシマは“力を持たない人を仲間にして一緒に動いている”みたいなことを言っていた。
…本当かは分からない。
そんなことを話していたときだった。
ゴトッ
誰かが壁にぶつかったような音が聞こえた。俺たちや桐島とは別の、3つ目の道からだった。
そこには、仮面を被った人が頭のみを見せ、俺たちを凝視していた。
仮面の男が進だとはしらず、警戒しだす圭。しかしそんなことも束の間、風真たちが追いついてきた。風真の言葉により、桐島に敵として認識されてしまう。果たして、この状況をどう切り抜けるのか!?
次回『任せる』
つづく!




