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第二章:異界の境界
その夜、天狗は都市の片隅にある古い神社に辿り着いた。
ここはかつて、彼の先祖たちが人々と共に祀られていた場所だ。だが今では、忘れ去られた存在となっている。
古びた鳥居をくぐり、苔むした石段を登ると、彼は神社の本殿に入った。
本殿の中には、数多くの御札が貼られていた。
これらは、霊たちを鎮めるためのものだった。
天狗は御札を一枚手に取り、その力を感じ取った。
彼は自らの力をこの御札に込め、新たな霊魂を封じる準備を始めた。
「この場所が、再び守りの要となる。」
天狗はそう呟き、御札を神社の柱に貼り付けた。
その瞬間、御札が光を放ち、周囲の霊気が収束していく。
彼の力によって、神社は再び霊たちの安息の地となったのだ。