『プレスマンを贈られたいばら姫』
ある国の王様に、それはかわいらしいお姫様が生まれました。全国からお祝いの贈り物をするために、大勢の人がお城に集まりました。十二人の魔法使いには、招待状が出され、全員がお城の大広間に集まりました。
一人目の魔法使いは、黒プレスマンを贈りました。二人目の魔法使いは、白プレスマンを贈りました。六人目まで、こんな感じでした。王様が退屈し始めたころ、大広間の扉が乱暴に開かれました。最長老の魔法使いです。最長老の魔法使いは、もう亡くなったといううわさもあって、王様は、招待状を出さなかったのでした。
最長老の魔法使いは、そのことを恨んでいました。呼ばれもしないのにお姫様の前に進み出て、
「お前は十六になったとき、糸紡ぎに刺されて死んでしまうだろう」
と、呪いの贈り物をし、すぐに姿を消してしまいました。
王様は慌てました。生まれたばかりの娘に、死んでしまう呪いをかけるなんて非常識です。ま、魔法使いに常識を求めること自体に無理がありますが。
七人目以降の魔法使いが、呪いを弱める贈り物をしてくれました。王様は、念のために、国中にお触れを出して、糸紡ぎを全てお城におさめるように命じました。
さて、それから十六年、お姫様は美しく成長し、この年に亡くなってしまう呪いをかけられたことなど、うそのようでした。お姫様は、お城の探検が大好きでした。きのうはお庭、きょうは地下室と、あちこちを回っていましたが、ある日、お城の塔の上で、一人のおばあさんが、見たこともない機械を使って、何かをしているところに行き当たりました。
「おばあさん、何をしていらっしゃるの?」
「珍しいかい、もっと近くへ来てもいいんだよ」
お姫様は、おばあさんの近くに寄って、見たこともない機械にそっと触れようとしました。もちろん、この機械が糸紡ぎで、このおばあさんは最長老の魔女だったのです。
お姫様は、糸紡ぎに刺されてその場に倒れました。最長老の魔女は、満足げに笑うと、ほうきに乗って去っていきました。
どのくらいの年月がたったでしょう。お城はいばらに囲まれて、お城の中の人たちは、時間が止まってしまったかのように、動かなくなってしまいました。そこへ、一人の王子が通りかかりました。王子が、いばらに囲まれたお城に近づきますと、いばらが自分からどいて、王子を中に招きました。王子が倒れた姫に口づけをすると、魔法が解けて、元の王国に戻ったというお話。
教訓:王子っていう生き物は、他国の領土を気軽にうろうろするんですかね。