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蝉と鈴虫

作者: 檸檬

四角の窓からオレンジの灯り


夜空に浮かぶ三角の屋根


星ボシが丸く光れば


流れ落ちる涙も星形になる


夜の住宅地の広い街路樹の道は

車もなく


雨に洗われ澄んで人気もない


ど真ん中をあるいて


広がる夜空


まだ少しかぼそく鳴く鈴虫


何重奏にもなる秋の知らせは

まだなのだろう


パーカーを肩まで脱いで


蝶々の真似事


くるくる回るさ


歯ブラシをくわえて


静かな住宅地に歯磨きの音


鈴虫と静かな協奏曲


夜空を見上げたら


涙が光って頬を伝う


虫にでも何でもなって


君という光を目指して


今すぐ飛んで行きたいよ


ただ傍に行きたいよ


本当は抱きしめたいよ


蝉のように泣く心を


鈴虫の声がたしなめてくれる


これから何重奏にもなるのを確かめながら


夜毎空に溶かしていかねば


涼しく柔らかな夜風が吹いて


漆黒の空に星が光ったから


フッと笑うことが出来たかな














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― 新着の感想 ―
[良い点] 虫の鳴き声と、夜空と、涙と笑顔が折り重なって、詩の雰囲気をつくっているところがとても印象に残りました。夏ですが、秋を待つ感じも季節と心を重ねているように思えます。ありがとうございます!
[一言] パーカーを脱いで蝶々の真似事をしたり、歯ブラシで鈴虫とハーモニーを奏でたり、身近なことがすごくロマンチックに描かれているところがとても良かったです。 主人公の涙が笑顔に変わっていくことと夜空…
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